ドーピング違反となりながらもスポーツ仲裁裁判所(CAS)から個人戦出場を認める裁定が下ったカミラ・ワリエワ(ROC=15)が、82・16点を記録しトップに立った。SPの世界最高90・45点を持つ。

冒頭のトリプルアクセル(3回転半)は、両手を挙げて跳ぶも着氷で乱れた。続く3回転フリップ、ルッツとトーループの連続3回転ジャンプは危なげなく決め、ステップやスピンを含めて安定感のある演技を披露。演技後に涙を流した。

【フィギュア】女子SPライブ速報

ワリエワは昨年12月に行われた北京五輪代表選考に関わるロシア選手権(サンクトペテルブルク)参加時に検体を採取した。6日と7日に行われた団体戦のSPとフリーに出場し、ともにトップの記録で団体戦金メダルに貢献。しかし、8日に昨年12月の検体から禁止薬物トリメタジジンを検出されて即時の暫定資格停止処分を受け、北京五輪を含む全てのスポーツ大会への参加が禁止された。

一転、9日にワリエワ側がロシア反ドーピング機構(RUSADA)に異議を申し立てると、同日夜に暫定資格停止処分解除が決定した。14日には、スポーツ仲裁裁判所がワリエラの五輪出場を認めた。ワリエワの弁護士は「ワリエワの祖父が使用していた薬が混入した」などとドーピングについて説明している。

国際オリンピック委員会(IOC)はワリエワが3位以内に入った場合はメダル授与式を実施しないと発表しており、17日のフリーの結果が注目される。

<ワリエワとドーピング騒動>

◆21年12月25日 北京五輪代表選考に関わるロシア選手権(サンクトペテルブルク)で検体採取。

◆22年2月6日 北京五輪団体女子SPで90・18点の首位で五輪デビュー。

◆同7日 フリー1位の178・92点で団体金メダルに貢献。「本当にハッピー以上の気持ち」。

◆同8日 昨年12月の検体から禁止薬物トリメタジジンを検出。即時の暫定資格停止処分を受け、五輪を含む全てのスポーツ大会への参加が禁止。団体のメダル授与式が急きょ延期に。

◆同9日 ワリエワ側がロシア反ドーピング機関に異議を申し立て、夜に暫定資格停止処分解除が決定。

◆同11日 国際検査機関が昨年12月のドーピング検査で陽性反応を示したと発表。スポーツ仲裁裁判所は出場を認めた決定を不服として、国際オリンピック委員会と世界反ドーピング機関が提訴したと発表した。