男子100メートルバタフライ(視覚障がいS11)は、東京パラリンピック代表に内定している木村敬一(30=東京ガス)が1分2秒66で制した。

「前半の入りはよかったんですが、最後の20メートルぐらいから苦しくなってしまった」。隣のコースを泳いだライバルの富田宇宙(32=日体大大学院)を大きく引き離してゴールしても、日本のエースの表情はさえなかった。「個人メドレーもバタフライも、思っていた以上にタイムが悪かった」。

今大会は第1日の200メートル個人メドレーと2レースに出場。新型コロナウイルスの影響で実戦機会が限られる状況下で自己ベストを狙って臨んだが、ともに終盤に失速してタイムにつながらなかった。

スタートの瞬発力が最大のストロングポイントだが、そこに集中し過ぎると終盤が苦しくなる。「自分の弱い部分は後半。それは生まれてから30年間、言い続けている。後半の苦しくなった時の体のさばき方が課題。トレーニングを見直したい。この大会の自己採点? プールに来られたということで20点。まあ、42~43点です」。

08年北京、12年ロンドン、16年リオデジャネイロと3大会連続出場でメダルは銀3、銅3。19年9月の世界選手権(ロンドン)で100メートルバタフライを制して、4大会連続代表に内定した。そのメイン種目を中心に複数の金メダルを狙う木村が、より強くなってこの夏に向かう。【小堀泰男】