男子100メートル(上肢障がいT47)で、南スーダンのクティヤン・マイケル・マチーク・ティン(30)が11秒42で優勝を飾った。

自己ベストの11秒59を更新し、「パラの大会を初めて走った。日本のトップ選手と戦えて素晴らしい経験になった」と緊張感を漂わせながらも表情を崩した。

内戦の影響で練習環境に恵まれない母国から19年11月に南スーダンの五輪・パラリンピック選手団5人(選手4人、コーチ1人)のメンバーとして来日。ホストタウンの前橋市で、新型コロナウイルス感染拡大後も長期キャンプを継続している。滞在費は前橋市がふるさと納税などで調達し、地元企業の支援を受け、市民とも交流を深めてきた。

「パラリンピックを目指すことは人生にとって重要なこと。スポーツは平和のためのものとして取り組んできた。マエバシには感謝している。人を愛すること、人とのつながりが大事だということを国の若い選手にも伝えたい」。母国とホストタウンの期待も背負って夢を追う。