作田直也(25=JR東日本)が日本人トップの4位に入った。スタート機器の不具合でレース開始が10分遅れ、冷たい雨風という厳しいコンディションだったが、マラソン3度目の新鋭は2時間8分59秒でゴール。自己ベスト2時間11分21秒を大きく更新した。

作田は「まず2時間10分を切るという目標があって、日本人トップになれたらと…。素直にうれしいです」と笑顔を見せた。

小学校6年の時、走り幅跳びで「人より跳べた」喜びから、陸上競技を始めた。中学では短距離種目だったが、3年時に1500メートルを5分ジャストで走り「短距離系はどこまで伸びるかわからないし、長い距離もいけるかも」と長距離に転向。順大では箱根駅伝(10区)も経験した。社会人になり「誰もができる競技じゃない。“あ~生きてるな~”という実感があって、1番興味がある」というマラソンを真剣に考え始めたという。

東京オリンピック(五輪)代表争いのラストレース。東京マラソンで大迫がマークした日本新2時間5分29秒を上回れば、という野望は…頭になかった。大迫のレースを見て「かっこいいな~と思った。あんな風に走れたら」と感じた25歳は「まだ、ああいう人たちと同じステージにいないと思います」。明確な目標は東京五輪の次、2024年パリ五輪だ。「どういう風にというイメージはない…というかイメージしないタイプなんですかね。ちょっとずつ、1歩1歩です。それで“届く”と思っていきたいです」。来季から、やや故障がちな体を強くして、初マラソンから年一ペースのレースを年2本にはしたい。「僕は楽しいから、やってます。だから、少しでも長く(競技者を)やっていきたい。何ならパリ五輪の次も…」。28年ロサンゼルス五輪までも頭に描き、ちょっとずつ進んでいく。

▽MGC4位で東京五輪補欠の大塚 (2時間15分36秒で30位に終わり)今回のような走りではダメ。「いざ」という時に対応できるよう(五輪で)走る選手と変わらない準備をしたい。