陸上の東京オリンピック(五輪)代表の最終選考を兼ねた日本選手権(大阪・ヤンマースタジアム長居)が24日から開幕する。

陸上男子100メートルで9秒95の日本記録を持つ山県亮太(29=セイコー)は「チャレンジャーであることには変わりない」との決意で運命の戦いに挑む。過去2年は日本選手権も欠場するなど故障に苦しんでいたが、6日の布勢スプリントで立場は一変。一気に日本新を樹立し、優勝の最有力候補になった。ただ挑戦者の気持ちは変わらない。「一発勝負で全てが決まるということに対して、すごい緊張感を持っている。東京五輪を争うので、簡単なレースにならない。今、自分に必要なことに積極的にチャレンジしていく」。貪欲に3度目の五輪を目指す。

この日は会場ヤンマースタジアム長居に隣接したサブトラックで入念に最終調整した。日本新を出した後は疲労も少し残ったが、日本選手権へ向けては「イメージした練習もできた。おおむね予想通り」。悲願の9秒台を出した後も高いモチベーションを維持できている。「自分の中でも、もっといい走りができるという気持ちがすごく強い」。五輪では2大会連続自己新をマークするなど大舞台こそ力を発揮し、五輪シーズンに調子が上がってくる。このまま不動の主役にのし上がっていく。【上田悠太】

◆男子100メートル東京五輪代表選考 代表枠は最大3。19年5月~20年4月5日、20年12月1日から21年6月29日の期間に、参加標準記録(10秒05)を突破するか、世界ランキングで出場資格を満たすことが条件。その上で、日本選手権3位以内に入れば代表。それで3枠が埋まらない場合は、日本選手権の結果、世界ランキングの上位などの要素から選ぶ。