ボクシングの東京オリンピック(五輪)男子ウエルター級代表の岡沢セオン(25=INSPA)が本番を約1カ月後に控えてオンライン取材に応じた。画面越しに着ていたTシャツには多くの会社のロゴ。「背中なども含めて全部で20社ほどです。みなさんに支えてもらえて本当にありがたい」と笑顔で説明した。

この4月から「アマのプロ」になった。ボクシング競技はアマチュアとプロで試合形式も異なり、一般的に多くの人に知られるのはプロ。プロとの比較で「アマチュア」と呼ばれることが多い。そして、その呼び名に人一倍思い入れを持っているのが岡沢になる。

SNSアカウントに「一生アマ」と書く。3分×3回の攻防の面白さや技術力の高さに誇りを持っており、「プロの下に見られるのはおかしい」と常々語る。その思いの1つの形が「アマのプロ」だった。プロボクシングではなく、アマチュアのプロボクサー。前例がない生き方を模索し、この4月から実行に移した。「いまはスポンサーの方からの収入だけで生活しています。金銭面でかなり余裕ができました。これくらいないと夢がない、という金額は超えました」と感謝した。

アマチュア愛あふれるからこそ、後進のためにも新たな可能性を示したかった。将来は全国リーグなどの創設なども夢描く。そのための試金石になるのが、目の前に迫る東京五輪。「感謝をパフォーマンスで伝えたい」と見据えた。