【初公開】益田、石川、小島…ロッテ面々の素顔/担当・金子真仁記者の3年間〈中編〉

ロッテ担当記者としての3年間を終えた金子真仁記者。期間中の優勝はなりませんでしたが、歓喜の時に備え、いくつものエピソードを蓄えていました。日々のちょっとした話も含め、世に出し切れなかった舞台裏を時系列で全3回で公開します。今回は中編。

プロ野球

井口資仁前監督は東京・田無の生まれ。ベルーナドームでの西武3連戦前は、田無神社に参拝に寄っていた。「旧実家が田無神社の真横だったので。小さい時から参拝していますね」。私も3度ほど訪れたが、出くわすことはなかった。宮司が証言する。「井口さんはまず本殿をご参拝なさって、その後必ず、赤龍のもとへ向かわれます」。五龍で知られる田無神社。その中でも赤龍は特に、勝負運の御利益があるとされる。

ロッテ井口資仁前監督がシーズン中に参拝に訪れた東京・田無神社

ロッテ井口資仁前監督がシーズン中に参拝に訪れた東京・田無神社

若き主砲、山口航輝外野手が高校(秋田・明桜)時代に大船渡・佐々木朗希と対戦した-。21年春、そんな噂を耳にした。確かめた。「練習試合、やりましたね。でも自分、打席に立ってないです。朗希が1年生の時に1回来て、Bチームの試合で投げたんで、見てなくて。同級生から『えげつないのおる』って聞いて。で、自分が3年生になった時に、もう1回来たんすよ。その時は朗希は投げなかったです」。ニアミスした2つの才能が、今や隣り合っているのが面白い。

夏は年々暑くなる。選手たちもつらそうだが、こちらも負けじと日なたで練習を見続ける。1人で干上がりそうになっていたら、岩下大輝投手がわざわざ回り道して近づいてきた。「大丈夫ですか? 熱中症、気をつけてくださいね。暑いし日陰にいた方がいいですよ」。一見コワモテだけれど、優しい。せっかくの機会とばかりに、ピッチングプレートで一塁側を踏む理由をこっそりと尋ねた。

本文残り75% (2059文字/2754文字)

1980年11月、神奈川県座間市出身。法大卒、2003年入社。
震災後の2012年に「自転車日本一周」企画に挑戦し、結局は東日本一周でゴール。ごく局地的ながら経済効果をもたらした。
2019年にアマ野球担当記者として大船渡・佐々木朗希投手を総移動距離2.5万キロにわたり密着。ご縁あってか2020年から千葉ロッテ担当に。2023年から埼玉西武担当。
日本の全ての景色を目にするのが夢。22年9月時点で全国市区町村到達率97.2%、ならびに同2度以上到達率48.2%で、たまに「るるぶ金子」と呼ばれたりも。