ローズ代役・駒田徳広の逆転満塁本塁打…マシンガン打線に欠かせぬロマン砲/連載4

横浜DeNAベイスターズの25年…四半世紀ぶりの優勝を祈念する企画連載の第4弾は、満塁男の異名を持つ駒田徳広の満塁ホームランに焦点を当てます。1998年(平10)5月10日の広島戦(下関)。調子が上がらないロバート・ローズに代わり、移籍5年目にして初の4番に座った駒田は、ボール気味の球をホームラン。シーズン序盤は不発だったマシンガン打線に勢いをつけました。

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「引き潮打線だな」

5月に入っても、マシンガン打線は不発のままでした。オープン戦では23イニング無得点という時期もあり、権藤博監督が「引き潮打線だな」と自虐的に話していたぐらいです。

特に、4番ロバート・ローズの調子が上がりませんでした。

1998年5月10日。親会社マルハが発祥した地、山口・下関で広島戦が行われました。

この試合、権藤監督は4番ローズをスタメンから外しました。ローズは前日9日の同戦で6打数無安打。打率は2割3分5厘まで下がっていました。気分転換を兼ねて、休養を与えたのです。

4番の代役は、この年からキャプテンに就任した駒田徳広でした。駒田は巨人からFA移籍して5年目で、初めて4番の座に座りました。試合前、権藤監督に理由を問うと「ローズがいなければ、打線の顔は駒田しかいない。スー(鈴木尚典)では若すぎる」と説明しました。

横浜は2回にリードを奪うものの、4回には先発パット・マホームズが、広島緒方孝市に4号ソロを浴びるなどして逆転を許してしまいました。

マホームズは、今を輝くNFLのスーパースター、カンザスシティー・チーフスでクオーターバックを務めるパトリック・マホームズのお父さんです。

当時は幼い子どもだったパトリックが、今のような活躍をしても、私はまったく不思議に思いません。父マホームズも抜群の身体能力を誇っており、足も速く、トレーニングでのジャンプ力にも驚かされたものです。

権藤監督は「チームで一番足が速いんじゃないか」と言って、4月29日の広島戦では代走で起用しています。

1998年4月29日、投手のマホームズが代走で出場

1998年4月29日、投手のマホームズが代走で出場

さて、逆転劇は7回に起きました。3―4とリードを許したまま迎えたこの回は、1番からの攻撃でした。

石井琢朗、進藤達哉、鈴木尚が3者連続で四球を選び、無死満塁のチャンスを作ります。相手投手のルーキー小林幹英は、ストライクが取れずに苦心していました。

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編集委員

飯島智則Tomonori iijima

Kanagawa

1969年(昭44)生まれ。横浜出身。
93年に入社し、プロ野球の横浜(現DeNA)、巨人、大リーグ、NPBなどを担当した。著書「松井秀喜 メジャーにかがやく55番」「イップスは治る!」「イップスの乗り越え方」(企画構成)。
日本イップス協会認定トレーナー、日本スポーツマンシップ協会認定コーチ、スポーツ医学検定2級。流通経大の「ジャーナリスト講座」で学生の指導もしている。