【箱根駅伝story】東海大復活の兆しは「エース石原頼みをなくせ」の合言葉から

今秋11月5日の全日本大学駅伝(愛知・名古屋市~三重・伊勢市)出場を懸けた関東学連の予選会が17日、神奈川・相模原ギオンスタジアムで行われました。

昨年の本大会で10位となった東海大は、予選会を3位で突破し、10年連続の本選切符をつかみました。

その流れをつくった1人が、1組目に出走した4年生の喜早駿介。苦しんだ時間を経て、新たな思いを胸に競技と向き合っています。

エース石原翔太郎(4年)頼みからの脱却を目指す今、最上級生の言葉を通じ、復活を目指すチームの現在地を描き出します。

陸上

〈6月17日全日本大学駅伝予選会@相模原ギオンスタジアム〉

最終結果を知らせる電光掲示板。東海大は予選会を3位で突破し10年連続の本選切符

最終結果を知らせる電光掲示板。東海大は予選会を3位で突破し10年連続の本選切符

全日本大学駅伝・関東学連予選会上位成績


順位大学名総合タイム
1位城西大3時間57分35秒40
2位大東文化大3時間57分50秒77
3位東海大3時間57分58秒89
4位東京国際大3時間59分02秒86
5位東京農業大3時間59分20秒68
6位帝京大3時間59分34秒06
7位国士舘大3時間59分45秒19
上位7チームが本戦への出場権  
8位立教大3時間59分59秒49
9位神奈川大4時間00分07秒27
10位明治大4時間00分20秒02

予選会3位突破で10年連続の伊勢路

6月17日午後5時30分。

西から差す夕日が、スタジアムへと差し込む。じっとりとした暑さと、強さを増し始めた風とが肌を覆う。

トラックでは、40人のランナーが2つの列をなした。1組目のタイムレース(1万メートル)が、間もなく始まろうとしていた。

この予選会では、各チームから選出された8人が、2人ずつ4組のレースを走る。合計タイムの上位7校が伊勢路への出場権を手にするが、1人でも棄権者が出れば、その時点でチームの記録は無効となる。

重圧は計り知れない。緊張が漂う。

張り詰めた空気を裂くように、スタートを知らせる号砲が鳴った。

白い帽子をかぶった東海大・喜早駿介(4年)は、永本脩(1年)とともに走りだした。

チームで出走する4年生は、喜早と石原翔太郎の2人だけ。エースは、最終組でスタンバイしている。

心に誓っていた。

「1組目は駅伝でいうところの1区。流れをつくる大事な組」

喜早は緊張と高揚感を胸に、トラックを駆けていった。

「石原頼りをなくしていこうとチームで話した」という喜早(ゼッケン1)。選考会1組で6位フィニッシュ、チームに勢いをもたらした

「石原頼りをなくしていこうとチームで話した」という喜早(ゼッケン1)。選考会1組で6位フィニッシュ、チームに勢いをもたらした

「流れを作る」4年生喜早駿介の思い

4年半前の2019年1月。

東海大は箱根駅伝で、初の総合優勝を果たした。

翌20年は総合2位。常勝の礎を築き始めていた。

その姿を追って入学してきたのが、今の東海大の上級生たちになる。

喜早も期待を背負って、東海大の門をたたいた1人だった。

宮城・仙台育英高では、同級生の吉居大和(現・中央大)らとチームメート。3年連続で全国高校駅伝に出走し、いずれも区間1桁順位と好走した。3年時には12大会ぶりの全国優勝へと導いた。

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岐阜県不破郡垂井町出身。2022年4月入社。同年夏の高校野球取材では西東京を担当。同年10月からスポーツ部(野球以外の担当)所属。
中学時代は軟式野球部で“ショート”を守ったが、高校では演劇部という異色の経歴。大学時代に結成したカーリングチームでは“セカンド”を務めるも、ドローショットに難がある。