【宇都宮ブレックス〈3〉】引退危機の村岸航を救った縁 いざ「大器」証明の時

宇都宮ブレックスの気になる話題を広く深く追いかけます!

ブレックスのゲームは楽しい。昨季ブレックスアリーナや日環アリーナに通って、今さらながら確信しました。選手やクラブのことをもっともっと知りたいし、取材で得たものを、ブレックスを愛する方々にお伝えしていきたい。週1回のペースで、ブレックスにまつわる様々な話題をお届けしていきます。練習生から昇格した村岸航選手(26)の軌跡をたどる最終回。入社した実業団チームが突然休部し、引退も頭によぎりましたが、佐々宜央ヘッドコーチとの運命的な縁で、回り道しながらもプロの世界にたどりつきました。

バスケットボール

ブレックスのチーム練習で鵤(右)と競り合う村岸

ブレックスのチーム練習で鵤(右)と競り合う村岸

B3入りも社業に忙殺、練習にもいけず

筑波大准教授で、バスケットボール部ヘッドコーチの吉田健司HC(64)は心配になった。

2020年、村岸が新卒で入社した「アイシン・エィ・ダブリュ」はB3リーグで快進撃を見せていた。しかし、ゲームスタッツのなかに村岸の名前が出てこない。たまらず電話をかけた吉田HCに、村岸は「工場実習がありまして…」と事情を説明した。

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1988年入社。プロ野球を中心に取材し、東京時代の日本ハム、最後の横浜大洋(現DeNA)、長嶋巨人を担当。今年4月、20年ぶりに現場記者に戻り、野球に限らず幅広く取材中。