【白鵬翔 記者会見全文】日本相撲協会退職の経緯、これからの夢を語った43分間

6月9日付で日本相撲協会を退職した前宮城野親方の白鵬翔さん(40)が、東京・千代田区の帝国ホテルで会見しました。退職の経緯、理由や今後の活動について話しました。記者会見の全文をお送りします。

大相撲

日本相撲協会の退職を報告する会見に臨む白鵬翔さん。右は同席する宮城野親方(撮影・小沢裕)

日本相撲協会の退職を報告する会見に臨む白鵬翔さん。右は同席する宮城野親方(撮影・小沢裕)

司会者それでは本日はまずは、白鵬翔、前伊勢ケ濱親方、現宮城野親方にご登壇いただき、ごあいさつをいただきます。その後、宮城野親方にはご降壇いただき、白鵬翔より今後の活動について皆様方にお話をさせていただきます。それでは早速ですが、白鵬翔、宮城野親方、ご登壇ください。

それではまずは、白鵬翔より一言ごあいさつをさせていただきます。

(宮城野親方が先にあいさつするように、白鵬がうながした)

宮城野親方(元横綱旭富士)このたび、白鵬翔が本日付をもって引退しました。これだけの実績、たくさん記録持ってます。こういう人がね、ずっと協会にいてくれれば、またこれからいい力士がたくさん出ると思ってたんですけど、本人の意思がすごく硬くて、私も引き留めることができなくて、ファンの皆さんには大変申し訳なく思ってます。本人は本当に相撲が好きで、相撲を愛してて、そしてこの相撲をやってきたことを十分誇りに思ってるっていうことは常々聞いてます。これからも、この相撲を通じてまた社会貢献していきたい。相撲を通じて、また強い力士をいっぱい輩出するように応援していきたい、相撲協会にも恩がありますから、応援していきたい。そういった気持ちがすごくありまして。ただ、それはもっと外の方からやっていきたいっていうことだったので、その意思も尊重しながらも話もしてたんですが、先ほどに戻りますけど、引き留めるとことができずに本当に残念でなりません。これからも本人にはですね、相撲を通じて社会貢献していくと思いますから、どうぞまた今後ともより一層のご指導と鞭撻(べんたつ)を白鵬翔に対しまして切にお願い申し上げます。

また、私も今日から宮城野親方になりました。これからですね、この旧宮城野部屋の力士の中からその名跡を継げる者が出てきたら、その子にですね、この名跡を譲渡して、いずれまたその力士が宮城野部屋を復興させていただけるように、私も尽力を尽くしていきたいと思ってます。その節もよろしくお願いいたします。とにもかくにも、本人、これからですね、ますますご健勝で、そしてまた活躍されるよう大いに期待をして、皆さんのますますのご健勝を祈念いたしまして、あいさつとさせていただきます。今日はありがとうございます。

司会者それでは宮城野親方は次のご予定のため、ご退席となります。ありがとうございました。

日本相撲協会の退職を報告する会見で最後に同席した宮城野親方(右)と抱擁を交わす白鵬翔さん(撮影・小沢裕)

日本相撲協会の退職を報告する会見で最後に同席した宮城野親方(右)と抱擁を交わす白鵬翔さん(撮影・小沢裕)

それではあらためて白鵬翔より、退職に対する思いをお話しさせていただきます。お願いします。

白鵬皆さん、こんにちは。今日は忙しい中ありがとうございました。相撲に愛され、相撲を愛した25年でありました。この場を借りまして、私は白鵬翔は日本相撲協会を退職し、新たな夢に向かって進み出すことを皆さまにお伝えします。まずは、宮城野部屋が伊勢浜部屋に預かりになる事態を招いたことは、親方としてあらためて弟子たちや応援してくださってる方々におわび申し上げます。

今の自分が置かれている状況を考えますと、協会の中ではなく外の立場から相撲の発展に力を注いでいくことがいいと判断して、最終的には自分自身で退職を決断いたしました。

横綱昇進の時に「精神一到を貫き相撲に精進します」と申し上げましたが、その誓いをも心に秘め、相撲道を究めたいという思いは全く変わっておりません。

今後は一相撲人として、今までお世話になった日本相撲協会の外の立場から相撲を発展させる活動をしてまいります。宮城野部屋及び宮城野部屋の弟子たちについて無責任ではないかとのご見解があることを聞いてますが、協会を退職した後も、宮城野部屋を継承いただく前伊勢ケ濱親方や関係する他の親方たち協会とも密に連絡を取り、引き続き外の立場から弟子たちを見守り、応援していく所存です。弟子たちに対する愛情は全く変わってないことを、ここで重ねて申し上げます。

司会者ありがとうございます。それでは続きまして、今後の活動についてお話しさせていただきます。ここからは白鵬翔本人のほかにアドバイザーとしましして、今後の活動を一緒に推進していく予定の3名も同席をさせていただきます。

力士や相撲協会に精通し、本場所や催事、各種イベントにも積極的に参加してきた水野晃さん。国内外における事業、ビジネス戦略のアドバイザー、森井理博さん。白鵬杯の運営を一緒に行っている柏市相撲連盟理事長、永井明慶さん。それではお三方、ご登壇ください。

日本相撲協会の退職と今後の活動方針について会見する、左から水野氏、白鵬翔さん、森井氏、永井氏(撮影・小沢裕)

日本相撲協会の退職と今後の活動方針について会見する、左から水野氏、白鵬翔さん、森井氏、永井氏(撮影・小沢裕)

司会者それでは今後の活動についてご説明させていただきます。よろしくお願いします。

白鵬はい。今後につきましては、相撲を世界に広げていくプロジェクトを中心に活動していきたいと考えております。ご存じのように、今まで15回にわたり白鵬杯国際相撲大会をやってまいりました。この白鵬杯ベースとして、日本のみならず世界中により多くの人たちに相撲の魅力を広げる「世界相撲グランドスラム」という構想のもと相撲を広げてまいります。相撲は元々、天下太平、国家安全、五穀豊穣(ほうじょう)の神事でもあります。また、精神や肉体を鍛え、礼に始まり礼に終わる、人々を導く道でもあります。

相撲の魅力は、今世間にある差別や偏見、争いごとを解消するための希望を届けることできるのではないかと信じております。この理念を元に、世界相撲グランドスラム構想を実現してまいります。

日本相撲協会の退職を報告する会見に臨む白鵬翔さん(撮影・小沢裕)

日本相撲協会の退職を報告する会見に臨む白鵬翔さん(撮影・小沢裕)

司会者ありがとうございました。それでは続きまして、質疑応答のお時間とさせていただきます。ご質問のある方は、媒体名とお名前をいただいた後、ご質問お願いします。なお、子どもたちの見ている会見ですので、本件以外に関する質問はお控えいただけますようお願いいたします。手短に1社1問ずつお願いします。それでは挙手をお願いします。

―率直に、退職を決断したのはいつかということと、決断に対して、弟子や家族はどのように反応したのか教えてください

白鵬3月から一門の親方衆から報告がありまして、そこで本当に悩みました。そこで退職というかたちになりましたが、弟子たちにはやっぱり夏場所がありましたから、場所後に全員に伝えました。

―弟子の反応とご家族の反応を教えてください

白鵬3月からの思いがありましたので、それをしっかりと伝えましたし、去年は20人の弟子がいました。9人が引退しました。そのあたりから、弟子たちも私自身も本当悔しいという思いがありました。また、宮城野部屋が復活するっていうことも皆さんに伝えました。もちろんこれは相撲協会の理事はじめ親方衆が判断するわけでありますから、またその立場から応援していくことを伝えました。

日本相撲協会の退職を報告する会見に臨む白鵬翔さん(撮影・小沢裕)

日本相撲協会の退職を報告する会見に臨む白鵬翔さん(撮影・小沢裕)

司会者ご家族の反応はいかがでしたか

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スポーツ

佐々木一郎Ichiro Sasaki

Chiba

1996年入社。特別編集委員室所属。これまでオリンピック、サッカー、大相撲などの取材を担当してきました。X(旧ツイッター)のアカウント@ichiro_SUMOで大相撲情報を発信中。著書に「稽古場物語」「関取になれなかった男たち」(いずれもベースボール・マガジン社)があります。