【琴栄峰 新入幕会見全文】足を高く上げる四股で「僕のことを知っていただけたら…」

名古屋場所(7月13日初日、IGアリーナ)の新番付が6月30日に発表され、新入幕を果たした琴栄峰(22=佐渡ケ嶽)が、名古屋市の部屋で会見しました。兄の琴勝峰に続き新入幕を果たし、史上13組目の兄弟幕内となりました。会見では代名詞となった美しい四股について、同席した師匠の佐渡ケ嶽親方(元関脇琴ノ若)から、裏話も明かされました。

会見の一問一答を、全て紹介します。

大相撲

兄の琴勝峰とともに幕内力士に

―新入幕おめでとうございます。今のお気持ちはいかがでしょうか

琴栄峰素直にうれしいです。

―番付のしこ名を見て、どのように感じましたか

琴栄峰そうですね、やっぱり、小さい時からずっと見てきた一番上の段の番付に、あこがれがすごいあったので、そこに自分も載れてうれしいです。

―新入幕が決まって、報告はしましたか

琴栄峰そうですね。朝、まず師匠にあいさつに行って、そこから大関(琴櫻)だったりとか、おかみさんにも、しっかりあいさつしに行きました。

―ご両親には

琴栄峰両親には…。まだしてないです。すみません。

師匠の佐渡ケ嶽親方(右)とともに新入幕会見に臨んだ琴栄峰は、新番付の自身のしこ名を指さして笑顔を見せた

師匠の佐渡ケ嶽親方(右)とともに新入幕会見に臨んだ琴栄峰は、新番付の自身のしこ名を指さして笑顔を見せた

―これで兄弟そろって幕内ですが、このことについては

琴栄峰そうですね。やっと、兄がずっと戦ってきている土俵に自分も立てるということに、やはりうれしいですし、身の引き締まる思いもあります。

―兄弟そろっての土俵入りもできそうですが

琴栄峰そうですね。そこも目標にしてきたところもあったので、とてもうれしいです。

琴恵光引退相撲で髪結い実演を終え、記念撮影に臨む琴勝峰(左)と琴栄峰(2025年5月31日撮影)

琴恵光引退相撲で髪結い実演を終え、記念撮影に臨む琴勝峰(左)と琴栄峰(2025年5月31日撮影)

―仕切りの四股も注目されていますが、この四股を幕内で見せることになりますが、その点については

琴栄峰そうですね。先場所ぐらいから少しずつ、お客さんの拍手が増えてきて、幕内でさらに四股を認知していただいて、少しでも多くの方に、僕のことを知っていただけたら、ありがたいです。

―十両を4場所で通過となりましたが、これについては、どう感じていますか

琴栄峰そうですね、やっぱり、結果としては良かったんですけど、負け越し、勝ち越しと続いちゃっていて、連続しての勝ち越しがなくて、まだ安定感がないというのは自分の中であるので、しっかりそこは稽古場で、もっと稽古が必要だなと思います。

―その中でも先場所は11番勝ちました。何かつかんだものはありますか

琴栄峰先場所はそうですね。場所前に師匠から、中に入ってからの速い攻めと、相手をしゃくり起こすというのを教えていただいて、それが先場所はできたのかなと思います。

―新入幕をつかんだ要因というと、そういった相撲を取ることができたということですか

琴栄峰そうですね。取れるようになってきたのが大きいのかなと思います。

新番付を手にガッツポーズをつくる新入幕の琴栄峰

新番付を手にガッツポーズをつくる新入幕の琴栄峰

―その相手の懐に入る差し身のうまさは、どのようにして磨いてきたのですか

琴栄峰やっぱり、稽古場で大関の相撲を見て。琴恵光関(尾車親方)とかも差し身がうまかったので、そういうのを、ひたすら見て、手の位置だったりとか、自分で研究して、それが少しずつできるようになってきたのかなと思います。

―大関にも、たくさん胸を出してもらい、そこで得たものはどういったものがありますか

琴栄峰そうですね、やっぱり大関に、少しでも自分の相撲を取れるように、というのをずっとやってきて、最近、少しずつ大関に差し込めたりとか、そういうのが自信になって、場所でも思い切り相撲が取れるので。稽古をたくさんつけていただいているのは、本当にありがたいことです。

新十両に昇進した時の琴栄峰(左)と琴櫻(2024年9月25日撮影)

新十両に昇進した時の琴栄峰(左)と琴櫻(2024年9月25日撮影)

―体重も新十両の時よりも10キロ以上増えていますよね

琴栄峰はい。そうですね。

―このあたりも自分でも感じるものはありますか

琴栄峰そうですね。体重が増えてからか、押し込まれにくくなったというのもあるので。でも体重はもっと、まだ軽いのでほしいですね。

両親の旅費を出した

―師匠にうかがいます。新入幕となりましたが、師匠から見て何が最も成長したのでしょうか

佐渡ケ嶽親方やはりこの速い相撲ですかね。まだ幕下から十両に上がっていく時というのは、自分十分になってから攻めようという相撲が多かったのかなと思うんですけど、最近は自分の形になる前に、まず出足で勝負しようと。うちの先代師匠の教えでもあるんですけど、形になってから出るんではない。出ながら自分の形になるんだと。これは栄峰にも、こういう相撲を取るんだよと、ずっと教えてはきていたので、それがしっかりできるようになってきたのかなと。そこが成長だったんだと思います。

名古屋市内の寺を宿舎とする部屋で師匠の佐渡ケ嶽親方(右)とともに新入幕会見に臨んだ琴栄峰

名古屋市内の寺を宿舎とする部屋で師匠の佐渡ケ嶽親方(右)とともに新入幕会見に臨んだ琴栄峰

―兄弟で幕内となると、兄弟の切磋琢磨(せっさたくま)というのは師匠から見てどうですか

佐渡ケ嶽親方うーん、なかなかいいものだなと思いますよ。やはり先場所、琴勝峰の方がですね、ケガして、全休かなとは思っていたんですけど、本人の強い意思で「出たい」と。「出してください」という強い気持ちが。たぶん、栄峰の成績を見ながら、こう、奮い立ったんじゃないのかなと思いますよね。(6日目から途中出場で)出てから、そんなに負けるような相撲がなくて、6番勝てたからですね。幕内に残れたと思うんですけれども。やはり琴勝峰にとっても、琴栄峰の下から追いかけてくるというのが、一番いいところなんじゃないですか。で、栄峰は栄峰で、やっぱり、早く抜きたいという気持ちがすごく強くあるので、本当にいい感じできていますね。琴櫻も栄峰が上がってきたし、もっともっと、という気持ちになっていると思うんですよね。やっぱり櫻も抜かれるのは嫌ですから。下から上がってくる子たちが、若手で上がってくるとですね、上にいる者たちが、もっともっと焦るので。もっともっと焦らなきゃいけない(琴栄峰の方を向いて)。

琴栄峰はい。頑張ります。

佐渡ケ嶽親方と、私は思いますね。まあ、一番は親孝行で、すごく感謝の気持ちを持っているんですよね。実は名古屋に入る前に、韓国に旅行に行ってきたんですよ。部屋の旅行で。みんなで行ったんですけど。「自分はお父さん、お母さんのおかげで、ここまで成長できたので、自分が招待したいです」と。お父さん、お母さんの分も(旅費を)出して。こういう感謝の気持ち、そういう親孝行するんだという気持ちがある子は、どんどん強くなると思うんですよ。そこはたいしたもんだなと。この若い年齢で、そういう気持ちでいるというのは、一番大事なんじゃないのかなと私は思いましたね。

琴勝峰と琴栄峰の父でボディービルダーの手計学さん

琴勝峰と琴栄峰の父でボディービルダーの手計学さん

―どのような力士に育っていってほしいですか

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1999年入社。現在のスポーツ部ではサッカー(1)→バトル→五輪→相撲(1)→(5年半ほど他部署)→サッカー(2)→相撲(2)→ゴルフと担当。他に写真部、東北総局、広告事業部にも在籍。
よく担当や部署が替わるので、社内でも配った名刺の数はかなり多い部類。
数年前までは食べる量も社内でも上位で、わんこそばだと最高223杯。相撲担当になりたてのころ、厳しくも優しい境川親方(元小結両国)に「遠慮なく、ちゃんこ食っていけ」と言われ、本当に遠慮なく食べ続けていたら、散歩から戻った同親方に「いつまで食ってんだ、バカヤロー!」と怒られたのが懐かしいです。