かなり強いホーム追い風の中、今年最初のSG、クラシックは2枠の毒島誠(40=群馬)が2コースから差し切って優勝。通算8度目のSG制覇で、クラシックは初戴冠となる。最内を突いた平本真之が2着。宮之原輝紀が3着に入った。1枠で人気を集めた吉川元浩は1周1Mで転覆失格。吉川に接触した土屋智則は不完走失格となった。

春の嵐が毒島誠に味方した。スタート展示では向かいよりの風5メートルが、本番では追い風10メートル。まくり水面の戸田が、差し水面に変わった。「向かいだったら駄目でした。しっかりと追ってくれたので良かったです。優勝戦に入ると機力が少し劣勢だったので、勝つとしたら追い風びゅーびゅーのコンディションかなと。何があってもターンマークだけ回ろうという作戦でした」。狙い通りのレース展開で勝利をたぐり寄せた。

22、23年とグランプリに出場するもTR1stで敗退。40歳になり、自分を見つめ直した。昨年からヨガを取り入れ、2月のフライング休み期間では、しっかりトレーニングを積んできた。「SGでもそうですし、G1でも全然結果が出ていなかったので、焦りに近いものがあった。変えなきゃいけない部分と、気持ちの面でも休みの期間にしっかり入れ替えてきたつもり。それが形になって良かったなと思います」。成長のために変化を恐れず、努力し続け、すぐさま結果につなげるあたりはさすがだ。

この優勝で獲得賞金は当然1位。悲願であるグランプリ制覇へ、アドバンテージができたのは大きい。「1年を通して、すごく組み立てがしやすい。いろんなことがチャレンジできますし、気持ちはすごい楽になってるかもしれません」。今年は5月多摩川でオールスター、そして10月には再び戸田でダービーと関東でのビックレースが多い。「変わらずいつも通り、1走1走しっかりとやれることをやって挑みます」。レースに臨む姿勢は不変。毒島誠はまだまだ進化し続ける。