熊本で14年ぶりのG1が開幕した。2日目は12Rスタールビー賞(SR賞)がメイン。「競輪黙示録」スペシャルの松井律は、荒井崇博(47=長崎)の九州パワーに期待した。

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九州の“超人”荒井崇博は、アラフィフになっても第一線を張り続ける。昨年11月のG1競輪祭は、決勝2着と大魚を目前で逃した。しかし、裏を返せば、この年齢になって悲願の初タイトルに最接近したのだ。

ベテランは調整の成果がどこで出るか分からない。コンディションも日々変化する。「それでも調子が上がるところがあるんですよ。だからね、チャンスが回ってきたときに取れる準備だけはしとかんと」。奔放な言動や酒豪エピソードで豪快なイメージが先行している。しかし、裏では地道なトレーニングを繊細に積み上げている。

荒井には選手人生で大きな後悔がある。時は“大ギア全盛”の2000年代後半にさかのぼる。同世代の山崎芳仁が競輪界に旋風を巻き起こした時代だ。若かった荒井は、自分の研ぎ澄まされた感覚に絶対の自信があった。その頑固さがあだとなり、大ギアの波に乗り遅れた。「当時もっとギア倍数をかけとったら良かったね。もっと柔軟に対処しとったら、何かいいことがあったかもしれん」。

特選10Rは太田海也の先行に乗る好展開だったが、脇本雄太のまくりに屈して2着止まり。「海也も残したかったし、1着も取りたかった。全部中途半端な2着って」と自嘲気味に笑った。しかし、容赦なく踏んでいれば、脇本に先着できた手応えはつかめた。

九州最後のとりでを守ったSR賞は、松浦悠士の前前勝負に乗って、直線強襲だ。3連単(3)=(4)(5)(1)(2)-(4)(5)(1)(2)の24点。