ヤマコウ(右)の取材を受ける吉田有希(撮影・鈴木正人)
ヤマコウ(右)の取材を受ける吉田有希(撮影・鈴木正人)

ダービーは勝ち上がりが厳しいので、2予3着でも準決に勝ち上がれるかどうかは分からない。7Rを3着で終えた菊池岳仁が「(1予)を4着でも勝ち上がった雨谷(一樹)さんに、ハグしてもらって運を分けてもらいます」と言ったが、雨谷は同じレースで7着敗退。「プラマイゼロとちゃうか?」と思いながら聞いたのは言うまでもない。

今回は吉田有希を取り上げる。2日目の1予はカマして2着。仕上がりの良さを感じた。共同インタビューで明かした「乗り方の理論を変えたら、それがしっくりきた」ことが原因だった。そこが気になったので詳しく聞くと「今年から中部の治療院に通い、助言を受けて実践した。そうしたらデビューした頃の感触が戻ってきたんですよ」と明るい表情で答えた。

スポーツ選手の体は敏感で、わずかな変化が結果を分ける世界だ。セッティングの細かい調整は、体に刺激を入れる一部となり、自転車の進みも変わるなど奥が深い。その中で、正解を探りながら進歩することが大切で、現状維持は後退といえる。吉田有は考え方を刷新することで「踏む」から「回転に合わせて当てる」ペダリングに変わった。いい感触が本物なら、吉田有のレースはもう一段レベルが上がる。

2予10Rは積極型がそろって、一瞬の判断が問われる。さばきができるタイプなので、中団に包まれて終わることはなさそう。先行意欲は中野慎詞が強く、町田太我、東矢圭吾を利用して自力を出すことが理想。いい感触を結果につなげたいところだ。(日刊スポーツ評論家)