【松井律・競輪黙示録スペシャル】

◆11RGR賞 3日目朝のGR賞共同会見。待てど暮らせど山口拳矢の姿だけ見えない。

「山口選手はひげをそってから、こちらに向かいます」

広報の生真面目なアナウンスに、報道陣はずっこけた。

思わぬところで大物っぷりを発揮した山口は、2日目、3日目がオフだった。 「過ごし方はいつも通り。今回は段ボール2箱分の漫画を持ち込んだけど、この2日でもう半分は読んじゃいました」

23年の平塚ダービーでタイトルホルダーの仲間入りを果たしたが、3年たってもどこか少年のままだ。

「あまり成長は感じないですね。むしろ、ダービーを取ったことで、比較対象のレベルが高くなってしまった。今でも挑戦者の気持ちですよ」

受けて立つよりは、挑んでいく方が得意。マイペースでいられる方が、本来の力を出し切れる。勢力図で苦戦が続く中部地区の後輩には「他地区を見てうらやましいと思うことはある。中部の若手には、もっと上を目指してほしい。僕なんて、お金のためだけに走ってるんだから(笑い)」と独特のエールを送った。心は少年でも、稼ぐ金額はかわいげがない。

開催が終わると、賞金ランキングを見ることが習慣になっている。現在は6位とグランプリ出場圏内。験のいい大会で、一気に安全圏に押し上げたい。

GR賞は得意の単騎戦。「警戒されないし、足もためられる」。感性のままに好位を奪い、あの時のように大外を突き抜ける。(7)-(3)(1)(2)(9)-全の28点。