1対1で負けず、1対0で競り勝った。J1新潟は11日、ホームで川崎Fを1-0で下し、今季ホーム初白星を挙げた。J1の実力上位チームを相手にシュートを今季最少の6本に抑え、今季初の無失点勝利。チームとして連動した守りを見せつつ、選手個々は球際で体を張り、中でも両サイドバック(SB)の1対1での奮闘が光った。

右SBの藤原奏哉はチーム最多4度のタックルを記録し、相対したブラジル人サイドアタッカーのFWマルシーニョをほぼ完璧に封じ込めた。後半から終盤にかけては高い位置で相手ボールを奪い返すなど、ポジショニングの良さと読みの鋭さで即時奪回を繰り返した。

左SBの渡辺泰基は前半22分に敵陣深くで相手ボールを奪い取ってMF伊藤の先制点をアシスト。主将のDF堀米がけがで不在の中、相手のキーマンであるMF家長とのマッチアップをこなし、日本代表DF山根の攻め上がりも許さなかった。2-2で引き分けた前節の札幌戦で散見された背後を突かれるシーンはほとんどなかった。

松橋監督は前節の札幌戦後に「1対1のところで勝っていかなければならないところがある。その局面で勝つことができれば景色ががらっと変わる」と話していた。今回の先制点のシーンはその好例。23歳の左SBが1対1を制したことで「新しい景色」が見えた。【石川秀和】

川崎Fの攻撃を封じた左SB渡辺泰基(左)と右SB藤原奏哉
川崎Fの攻撃を封じた左SB渡辺泰基(左)と右SB藤原奏哉
ドリブルでペナルティーエリアに進入する右SB藤原奏哉
ドリブルでペナルティーエリアに進入する右SB藤原奏哉
パスを出す新潟・右DF藤原奏哉
パスを出す新潟・右DF藤原奏哉
藤原
藤原