東京五輪に臨むサッカー男子日本代表の18人が決定した。1968年メキシコ五輪の銅以来となるメダルを目指す日本は今回、1次リーグA組で南アフリカ、メキシコ、フランスと対戦する。日刊スポーツ評論家で元日本代表FWの永島昭浩氏(57)が、今回選出されたメンバーと大会の展望について語った。

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FW登録を2人にとどめたのは、日本として失点をしない、手堅く試合を進めたいという決意の表れなのだろう。FWにけが人が出れば林が入るし、バックアップ4人を含めた22人の準備が大事になる。

短期決戦では試合中、試合外で計画通りにいかないことは必ず起こる。森保監督の戦略や戦術も大事になってくるし、時々刻々と変化するピッチでも判断力が問われ、32歳の吉田が方向性を伝える役になる。久保や堂安は、ベテランがいるからこそ、若さの特権でどんどんゴールへ仕掛けていけばいい。

1次リーグ初戦の南アフリカには勝利が絶対条件。勝てば勢いに乗り、メキシコ、フランスからも勝ち点は計算できる。実際に目の前の試合に集中すれば、日本のメダル獲得の確率は75%とみる。期待していい。

中2日の試合が重なり、湿度の高い特有の日本の夏で、例えば決勝トーナメントでアルゼンチンやブラジルと対戦しても、相手は後半15分以降は肉体的にきつい。逆に日本はしっかり調整できれば、体力がガクッと落ちることはない。消耗戦になれば、個人の強みよりもチームとして戦える日本が有利だ。

準決勝が最大のヤマ場になるはずで、謙虚に戦い続ければ、金色のメダルは十分に可能だ。(日刊スポーツ評論家)

森保一監督(2021年5月29日撮影)
森保一監督(2021年5月29日撮影)