日本が12年ロンドン大会以来の準決勝進出を決めた。ともに無得点で迎えたPK戦を4ー2で制した。ともに決め手を欠いて0-0で延長戦でも決着がつかず、PK戦に突入。4強入り、先に勝ち上がった優勝候補のスペインと準決勝で戦う権利をかけた一戦は、激戦となった

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前日、なすすべなく敗退したなでしこの試合を思い出した。日本は、体格のいい相手に当たり負けしたね。これまで得点源となっていた2列目の久保、堂安、三笘、三好のドリブルがまったく通用しなかった。相手のパワーにはね返された。サイドで好機をつくっても、いざ中央へ展開すると、大きくて高い壁にぶつかってるようなイメージしかなかった。そこからの工夫が乏しく、結局相手の反撃にもあった。ワンツーパスとかドリブルとか、もっと強弱をつけないとね。

苦戦は、結果的に良かったと思うよ。1次リーグで、あまりにも順調にき過ぎた感があるからね。これで、頭がリセットされるんじゃないかな。1発勝負のトーナメントはリーグ戦と雰囲気が違う。「初戦は難しい」とよく言われるが、トーナメントは毎試合が初戦みたいなもの。崖っぷちの戦いが続くから、メンタルも影響してくるよ。

次のスペイン戦。FWを含め全員が高い位置からプレスを掛けることだな。守備から攻撃に転じた時、速い展開に持ち込むのを相手は嫌うはずだよ。サイドと連係し、強弱をつけて攻めること。相手選手に名前負けしないこと。スペインという国にブランド負けしないことだな。

最後に久保。まだ新シーズンの去就が決まってないようだが、自分の移籍がかかった試合だと思って、挑んでほしいね。スペインの各クラブも注目するはずの試合で、日本を勝利に導くゴールを決めてこそ、エースだぞ。(日刊スポーツ評論家)

日本対ニュージーランド 真っ先にGK谷の元へ駆け寄る久保(撮影・横山健太)
日本対ニュージーランド 真っ先にGK谷の元へ駆け寄る久保(撮影・横山健太)
日本対ニュージーランド PK戦前、率先して肩を組む久保(右から2人目)(撮影・横山健太)
日本対ニュージーランド PK戦前、率先して肩を組む久保(右から2人目)(撮影・横山健太)