FW町野修斗を起用した意味が分からない。185センチの大型FWで、ポストプレーを期待してスタメン出場させたはずなのに、そこにまったくボールが入らない。本来は中盤でボールを奪ったら、1度町野に当てて、2列目の選手が追い越すか、サイドに展開してチャンスをつくるのが狙いだったはず。でも、町野がくさびに入っても、足元にボールは入らない。ボールを追いかけるだけで、前半でお役御免となった。

新しい攻撃の形を試して、引き出しを増やすことが今回2試合のテーマだった。しかし1トップのFWは前線で相手守備ラインをかき回して、スペースに飛び込むという役が、すでにこのチーム全体に染みついてしまった。そのため、なかなか新しい攻撃の形は生まれなかった。

FW大迫がいた頃を思い出してみて。くさびに入れて、2列目の3人がどんどん追い越した。展開によっては3列目の遠藤までがペナルティーエリア内に入ることもあった。もうそのサッカーはこの代表では期待できないかもしれないね。

森保監督は常に「いい守備からいい攻撃」という。この言葉は理屈的に、カウンターを意味する。相手の陣形を整う前に攻めるには、速攻が一番有効に決まっている。ウルグアイ戦に続き、コロンビア戦も両サイドバックのオーバーラップはほとんどなかった。遅攻を試すために意図的にやったのなら、森保のこの言葉は捨てるべきだね。(日刊スポーツ評論家)

日本対コロンビア 前半終了後、町野(左)に声をかける森保監督(撮影・江口和貴)
日本対コロンビア 前半終了後、町野(左)に声をかける森保監督(撮影・江口和貴)
日本対コロンビア 後半、途中出場する浅野(左)と選手に指示を出す森保監督(撮影・前田充)
日本対コロンビア 後半、途中出場する浅野(左)と選手に指示を出す森保監督(撮影・前田充)