鹿島アントラーズが16日に開始したクラウドファンディングの寄付総額が、開始約1日で2000万円を超えた。

鹿嶋市の協力を得たふるさと納税型クラウドファンディング。年収や家族構成などで決まる控除上限額の範囲内であれば、2000円の自己負担で寄付を行うことができる。例えば年収500万円で独身の場合、控除上限額は約6万円。同額の寄付を行った後、所定の手続きを行えば、5万8000円が所得税および個人住民税から控除される仕組みだ。

小泉文明社長(39)は、4月末の決算会見で「(新型コロナウイルスの影響で)10億以上の単位で収入が落ち込む可能性もあると思っている」と話していた。19年度の営業収入が約68億円だった鹿島にとって、約15%にあたる10億円が消えるのはかなり大きい。クラブの危機に、サポーターからは「試合がなくてもチームを応援したい」という声も届いたという。

チームを支援したい気持ちがあっても、何をしたらいいか分からないサポーターは多かったはずだ。コロナの影響で収入が減り悩んでいたサポーターもいるだろう。“税金の先払い”ともいえるふるさと納税を用いたクラウドファンディングならば、これらを同時に解決できる。ホームタウンの協力を得た、地域密着のJクラブだからこそ実現したこのプロジェクトは、他のクラブにとっても希望の光となるかもしれない。【杉山理紗】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「サッカー現場発」)