J1清水エスパルスは、残留へ向けていばらの道が待っている。

現在15位。今季は残り8試合で、全て現時点で清水よりも上位チームとの対戦となる。

最後の4試合は特に過酷だ。北海道コンサドーレ札幌、サンフレッチェ広島、浦和レッズ、セレッソ大阪の順に対戦。いずれも前半戦で敗れている。現在は残留圏内に位置しているが、シーズン最終盤で確実に勝ち点を積み上げて、降格圏から遠ざかりたい。4試合中3試合がホーム戦。本拠地でサポーターの後押しを力に変えたいところだ。

今季は知将・ロティーナ監督(64)を迎えた。さらにシーズン前と夏の移籍期間で大型補強を敢行。陣容も大幅に入れ替わった。上位進出&タイトル獲得に期待がふくらんだが、思うような結果が出ていないのが現状だ。今季は“新生清水”のスタイル確立を狙って船出した。目指すは攻守で主導権を握るサッカー。変革のはざまでもがき苦しんでいる。

その中で緻密なスカウティングを基に、主導権を握る時間帯も増えていることも事実だ。指揮官は「相手の良さを消し、逆に自分たちの良さを出すこと」。今季連勝は1度もないが、逆に連敗も2連敗が2度だけ。大崩れは少なく、試合運びに一定の安定感はある。

だが、五分の内容でもゴール前の精度を欠く場面が目立ち、勝ち点の取りこぼしにつながっている。今夏に加入したMFベンジャミン・コロリ(29)は「ゴールを決めなければ相手ペースになってしまうし、勝つこともできない」。その上で「ハードワークをすること。続けていけば必ずチャンスはくる」と話した。終盤戦で清水は課題の決定力を改善し、逆境をはね返せるか注目したい。【古地真隆】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「サッカー現場発」)