日本代表が、世代交代の分岐点を明確に迎えた。16年リオデジャネイロ五輪代表のFW浅野拓磨とMF井手口陽介のゴールでW杯出場決定。一方で08年北京五輪世代のFW本田圭佑、MF香川真司が公式戦では初めてベンチ入りしながら不出場だった。この日、出場した選手も口々に新時代の到来を予測した。

 長く北京世代が支えてきた日本代表に、若きリオ世代が風穴をあけた。22歳の浅野が先制し、21歳の井手口がダメを押す。終盤には、3月の最終予選で2得点3アシストの23歳FW久保が投入された。歓喜後、報道陣の黒山に囲まれた若手を横目に、本田は「今日は俺じゃない」。一言だけ答え、主役の後輩を立てた。

 W杯出場が決まったピッチに本田、香川の2枚看板がいなかった。2人そろってベンチ入りしながら不出場だったのは、昨年6月7日のキリン杯決勝ボスニア・ヘルツェゴビナ戦(1-2)以来2度目。W杯最終予選などの公式戦では史上初だった。歴史の転換を象徴する試合になった。