サッカー日本代表MF本田圭佑(31=パチューカ)が、ワールドカップ(W杯)ロシア大会のメンバー入りを占う30日のガーナ戦(日産ス)に“覚悟のぶっつけ本番”で挑む。3月のベルギー遠征で結果を残せず当落線上にいた中、28日の紅白戦では先発組に入った。本番直前に戦術を変えて16強入りした10年W杯アフリカ大会の岡田ジャパン当時と「精神的に少し近い」とし「ぶっつけ本番で何度も結果を出してきた」と逆転での定位置取りに意欲を見せた。運命の日本代表発表は、31日午後4時から行われる。

 本田は非公開で行われた紅白戦で、主力組の3トップの右に入ったもようだ。関係者によると前線へ精力的に仕掛けていたという。練習後には開口一番「(3バックにシステムが変わり)景色も見慣れない、新鮮な中で練習しています」と充実感を口にした。

 W杯へ当落線上の状況に大きな変化はない。3月27日のウクライナ戦では約半年ぶりに先発も、守備に追われてシュートも打てず「自分に非がある」と悔恨の念まで口にした。それが4月にハリルホジッチ前監督が電撃解任され、緊急登板した西野朗新監督の下、結果を出さなければいけないガーナ戦前に先発組に入った。代表はやりやすいかと聞かれると「やりやすくなってきました」と即答した。

 8年前、同じような厳しい逆境の中で結果を出した自信がある。10年W杯南アフリカ大会直前に、当時の岡田監督は攻撃から守備に戦術のかじを大きく切った。本田は1トップで攻撃を託され、初戦カメルーン戦で決勝弾を決めて16強入りの原動力となった。「精神的に前々回(南アフリカ大会)に少し近い。(当時は)覚悟を決め、とにかく冷静に入ることに集中した。今回も一緒で落ち着き始めています」と類似点を語った。

 ハリルホジッチ前監督時代に許されなかった、ポジションごとの選手同士のミーティングが出来ることに光明を見いだしている。「ディテール部分で自由なディスカッションが増えた。チームが結果を出せる議論に向かっている。これだけ議論が出るのもハリル監督がやっていた時にはなかった」。西野監督についても「ある程度、選手のアイデアを尊重してくれる」と、指揮官とのコミュニケーションの改善も感じている。

 西野ジャパンの初戦、そして日本代表発表前最後の国際Aマッチとなるガーナ戦を「絵に描いた餅をどれだけやろうと、1個の問題が想定外だったら全部ひっくり返る」と評した上で言った。「いろいろなシチュエーションを想像するのは自分の強みの1つ。究極のシチュエーションを幾つか用意しながら試合の中で対応していく」。W杯を自らの左足でつかみ取る。【村上幸将】