日本代表の森保一監督(50)が31日、大分県庁に広瀬勝貞知事(76)を表敬訪問し、11月16日の国際親善試合キリンチャレンジ杯ベネズエラ戦(大分ス)での健闘を誓った。

15年3月のチュニジア戦以来3年半ぶりの大分開催に、広瀬知事から「上り調子のサムライブルーを見られるのは楽しみ。代表戦を心から歓迎し、期待しています」と切り出された森保監督。就任から3連勝中でも「選手が頑張ってくれているので」と謙虚に話し、続けてベネズエラ戦へ「南米の強豪。チーム力を高め、戦術の浸透を図っている段階で戦える。喜んでもらえるような試合がしたい」と意気込んだ。

地元メディアを中心に報道陣が多く詰めかけた中、広瀬知事から“代表取材”される場面もあった。「企業秘密かもしれませんが、監督業で気をつけていることは」と尋ねられると、森保監督は「今はコンセプトをいかに分かってもらえるか、浸透させていくかを考えています。力のある選手ばかりですし、チームのために戦ってくれるので、一致団結させるため、その環境づくりを心掛けています」と話した。その上で「今の若手は我々の時代とは違うと感じています。育成年代から、国内外でいろんな国との試合を多く経験しているので動じない。日本の育成の成果がトップ(A代表)の結果として出ている」と分析。南野拓実、中島翔哉、堂安律ら若手が躍動しているチームの状況について思っていることを説明した。

知事表敬には、キリンビール九州統括本部北部九州支社の永嶋晋大分支店長、キリンビバレッジ九州地区本部の堺義隆九州支社長、日本協会の平井徹競技運営部長、大分県協会の大場俊二会長が同席。キリングループが78年に日本代表のサポートを始めてから、今年で40周年の節目であることも広瀬知事に伝えられた。森保監督も、あらためて「私が現役時代、代表デビューさせていただいた試合がキリン杯だったんです」と話し、場をなごませた。

話題は、地元のJ2大分トリニータにも。現在首位で6年ぶりのJ1復帰が近づいており、広瀬知事は「トリニータで盛り上がっています。片野坂(知宏)監督とは一緒にやっていたそうで」と水を向けた。言葉通り、大分の片野坂監督と森保監督は、広島の前身マツダ時代時代から、ともにプレー。指導者になった後の12、13年には森保監督、片野坂コーチの体制で広島をJ1リーグ2連覇に導いている。森保監督は盟友に「素晴らしい指導者。彼らに支えてもらってタイトルをつかめた。真摯(しんし)にやるべき仕事に取り組み、選手やスタッフへの心配りを欠かさない」と太鼓判を押し「J1昇格に向けて盛り上がっている大分県を、さらに盛り上げることができれば」とベネズエラ戦への決意を口にした。

試合は午後7時30分キックオフ。W杯ロシア大会メンバーのFW大迫勇也、MF原口元気、DF吉田麻也に、南野、中島、堂安ら若手が融合しつつある日本。今月16日にFIFAランキング5位のW杯優勝2度の強豪ウルグアイを4-3で破ったこともあり、人気も高まりつつある。今回のチケットも完売間近といい、新生代表の勇姿を見られる席数は残りわずかとなっている。