なでしこジャパン(FIFAランキング7位)が14日の1次リーグ第2戦でスコットランド(同20位)に2-1で勝ち、決勝トーナメント(T)進出へ前進した。今大会初先発のFW岩渕真奈(26)が先制弾などで今大会初勝利。19日(日本時間20日未明)の第3戦で、イングランド(同3位)に勝ち1位突破なら、決勝Tの組み合わせが有利になるとみられるだけに、重要な一戦となる。

自力での1次リーグ首位突破へ、なでしこが自らの手で可能性を残した。前半23分にFW遠藤からゴール前でパスを受けたFW岩渕が無回転ミドルシュートを突き刺して先制。37分にはFW菅沢がPKを冷静に決めた。自身3度目のワールドカップ(W杯)で初先発を果たし、前線でチームを引っ張った岩渕は「この試合の結果次第で、正直、このW杯敗退以前に女子サッカーというものがどうなるのかというところもあった。とにかく勝てて良かった」。使命感もあり、胸をなで下ろした。

大きな1勝だ。日本は勝ち点4とし、2連勝の首位に立つイングランドと勝ち点差2の2位。直接対決となる第3戦に勝って1位突破なら、決勝T1回戦は3位突破チームが相手。続く準々決勝も2位突破チームと対戦する。4強まで強豪国との対戦を避けられる可能性が高い。一方、2位突破だと高倉体制で苦手とするカナダやオランダのいるE組1位との対戦となり、3位での突破だと、いきなり開催国フランスか16年リオ・オリンピックを制したドイツという強豪との対戦が濃厚だ。3大会連続の決勝進出を狙う上でも、1位突破は譲れない。

主将のDF熊谷が中心となり、スコットランド戦前日に選手だけでミーティングを行った。初戦の反省点を洗い出し、年長選手がW杯への思いを語り、気持ちをひとつにしていた。熊谷は「自分たちの力で首位突破を目指して、全員で戦いたい」。息を吹き返したなでしこが、大事な試合に向かう。【松尾幸之介】