日本代表MF遠藤航(28=シュツットガルト)が、抜群の存在感でチームに安定感をもたらした。負傷離脱で不在のDF吉田麻也に代わり、今回の活動では森保一監督(53)から主将の役割を任された。キャプテンマークを巻き、アンカーとして得意のデュエル(球際の戦い)で中国を圧倒した。

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リーダーの証しである蛍光イエローのマークを巻いた遠藤が、中盤に君臨した。前半23分、相手がカウンターを仕掛けようと自陣から前掛かりになろうとしたところに立ちはだかる。猛然とプレスをかけ、1対1で奪い取った。「いつもどおりを意識してプレーした」とあっさり。「内容にはあまり満足していないが、勝つことが重要だったので」と表情を崩すことなく語った。

「今いるメンバーで勝ち点3をとろう」。簡潔に仲間に伝えてピッチに立った。吉田、冨安、古橋…。負傷離脱者が続出する状況で主将を任されるプレッシャーにも動じない。試合前には吉田から「航なら大丈夫」とメッセージをもらった。門番として、中国の戦意を奪った。

ずっと先頭を任されてきた。シュツットガルトでは今季から主将に指名された。16年リオデジャネイロ五輪でも。かつて湘南、浦和に在籍したときも、キャプテンマークを巻いた経験がある。振る舞いで示すタイプ。練習ではどれだけ息が上がって疲れても、膝に手を置くことはしない。「回復するためにはかがまない方がいいし、苦しいときの振る舞いは意識しているところはある」。自ら主将に立候補したことはないが、そうした姿に数多くの指揮官が信頼を寄せてきた。

この日は後半28分で途中交代。ここまで最終予選の全試合にフル出場したが、2月1日のサウジアラビアとの天王山も見据えてお役御免となった。「前回負けている。ホームで借りを返して、勝ち点3をとれるように」。試合を終えてピッチを離れたときにはもう、W杯を大きく引き寄せる次の勝利へ闘志を燃やしていた。【岡崎悠利】