日本サッカー協会(JFA)は13日、東アジアE-1選手権に臨む日本代表メンバー26人を発表した。同大会は国内組でチームが編成され、香港、中国、韓国と対戦する。

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横浜F・マリノスMF水沼宏太が、32歳で日本代表に初選出された。父は元日本代表の水沼貴史氏(62)。Jリーグ発足後、親子2代のA代表は21年3月に選出されたGK前川黛也(神戸)と父和也氏に続き2例目で、フィールド選手では初。プロ入り15年目でついにたどり着いたA代表。水沼は「やっと夢のところに立てた。父も代表だった。やっと肩を並べることができたかな。この年になってもできるところを見せられた」と喜びを口にした。

32歳は、今回の日本代表の最年長。横浜の下部組織で育ち、08年にトップ昇格した。ユース時代から世代別代表の常連で、07年のU-17W杯では主将を務めた。そのまま12年のロンドン五輪、A代表と駆け上るかと思われたがブレークはならず、J2栃木、鳥栖と複数クラブを渡り歩いた。ロンドン五輪は予備登録メンバーだった。

20年に10年ぶりに横浜に復帰すると、今季は18試合4得点。森保監督は「サイドで起点になって得点チャンスを演出するところや、ゴール前に入れる」と期待とともに招集した。水沼は「ずっと目指してきたけど、なかなかたどりつかなかった。マリノスの選手として選ばれたのは、昔では考えられなかった」としみじみ。これまで在籍したクラブに感謝し「(代表入りは)通過点に過ぎない。ここから巻き返しというか、自分はもっと高みを目指して成長できるようにギラギラしていきたい」。遅咲きながらまず、東アジアでひと花を咲かせ、さらに大きな国際舞台を見すえたい。

【岩田千代巳】

▼親子出場 Jリーグ発足後、親子2代で日本代表に選出されたのは水沼父子が2例目。前川父子が最初で、父のGK和也(広島)が92~96年に17試合出場、子のGK黛也(神戸)は21年3月に初選出されたが出場はなかった。水沼父子は父のMF貴史(日産)が84~89年に32試合7得点を記録しており、子のMF宏太もピッチに立てば、初の父子そろっての日本代表戦出場となる。