<アジア杯:日本4-0パレスチナ>◇1次リーグD組◇12日◇ニューカッスル

 日本代表の15年初ゴールは、MF遠藤保仁(34=G大阪)の「最年長ゴール」だった。立ち上がりから引いて守るパレスチナ守備陣の穴をついた。前半8分、ゴールまで約30メートルの位置でFW乾からのパスを受け、抑えの利いた右足シュートでゴール左隅に決めた。「フリーだったんで、枠に飛ばすことだけ考えた。浮かしてしまえば上にいく。芝生がスリッピーでしたし」。時間帯、気候、ピッチコンディションを考えた技ありのゴールだった。

 試合直前に雨が降り、さらに最大風速15メートルを超える強風を風下で受ける前半立ち上がり。少しでも浮かせば、風に乗って吹き上がること、そしてぬれた芝生でボールが滑ることを予測、地をはうライナー性のシュートを選択した。さらに序盤で決めればチームは落ち着く。経験に裏打ちされた狙いが見事にはまった。

 このゴールで、96年大会にFWカズが29歳9カ月で決めた日本人選手のアジア杯最年長ゴールを、34歳11カ月に更新した。さらに4大会連続出場、通算最多18試合出場と、次々と新記録をつくった。「長くやっていないと、そういう記録も抜いていけない。うれしく思う」。ベテランらしく落ち着き払っていた。【栗田成芳】