Jリーグ王者として開催国枠で初出場の鹿島が、南米代表ナシオナル・メデジン(コロンビア)に3-0で勝ち、アジア勢初の決勝進出を決めた。今大会から導入されたビデオ判定で獲得したPKを前半33分にFW土居聖真(24)が決めて先制すると、後半にはMF遠藤康(28)とFW鈴木優磨(20)が加点。

 鹿島の先制点はビデオ判定によるPKから生まれた。国際サッカー連盟(FIFA)は試合結果を左右する明らかな誤審を防ぐ目的で、NFLなど他競技でも活用されているビデオ判定を「VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)」として主催大会で初導入。これが史上初の事例となり、鹿島の歴史的ゴール誕生へとつながった。

 前半30分、主審が試合をいったん止めると、ビデオ室の補助審判からの情報を確認した上でPKを宣告した。これをFW土居が決めた。場内の大型ビジョンでは、数分前のセットプレーからDF西がペナルティーエリア内で倒されていた場面の映像が流された。

 西は「あれは足がかかっていた。僕らにとってはありがたかった」とし、石井監督は「試合の流れが止まってしまうが、しっかり判定していただければ、1つのシステムとしてはいい。先制点はかなりのウエートを占める」と話した。対照的に、ナシオナル・メデジンのルエダ監督は「私たちはテクノロジーの被害者になってしまったと言ってもいい」と渋い表情だった。