浦和レッズがJ3グルージャ盛岡に一時同点に追いつかれながらも逃げ切った。

 試合後ミハイロ・ペトロビッチ監督(59)は「1つ勝ち上がれたことは前向き」と落ち着いた表情で振り返った。リーグ戦からメンバーをほぼ総入れ替えで臨んだこの日はパス回しにミスが目立ち、J3の相手に攻め込まれる場面も少なくなかった。「普段あまり出ていない選手が公式戦の緊張感の中でプレーする疲労感はあると思う」としつつ、「1人の受け手だけではなく、さらにその先の受け手がいてサッカーは進んでいく。それをイメージしながらプレーしないと」と、単調気味だった攻撃に課題があるとした。

 また蓄積された疲労による一瞬の判断の遅れは、ACLやリーグを戦う主力組にも言えることだと話した。「次の展開を早く理解しなければ。そうしないとなかなか(いい流れを)作れない。今そこがうまくいっていない部分。チームとして改善しないといけない」。ACLと並行してシーズンを過ごす中で、ここ最近はリーグ戦で1勝4敗1分けの8位と苦戦している。「(選手の疲労は)理解できる。厳しいけど踏ん張らなければいけないところ。なかなか思うような結果が出ない状況が続いている。もう1つ立て直して結果を残せるか。高い意識を持たなければ」と話した。

 ほぼメンバーが固定されている主力組に割って入るために、この試合はアピールの機会でもあった。指揮官も試合前日に「期待しているプレーを見せてほしい。そういう立ち位置のゲーム」と話していた。ただ圧倒するには至らず、一時は追いつかれた。盛岡側からは「守備はついてこないと前半で感じた」という声もあった。ペトロビッチ監督は「もっといいものを出してほしいという気持ち。厳しい試合が続く中で必要なこと。今後またリーグで連勝するには、全員でハードワークをしないといけない」と、選手らにさらなる奮起を期待した。