泥沼から抜け出せない。アルビレックス新潟の連敗はクラブワーストの「5」に達した。ジュビロ磐田に0-2で敗れ、勝ち点8の最下位18位でリーグ戦を折り返した。前半40分、磐田のコーナーキックの流れからオウンゴールで先制を許す不運な展開。後半9分には追加点を許した。攻撃は序盤からチャンスをつかむが、ゴールが遠かった。

 試合終了の瞬間、新潟のメンバーはピッチ上でうなだれた。直前まで声援を送っていた新潟サポーターの声は、笛と同時に消えた。5月に就任した呂比須ワグナー監督(48)の初陣の札幌戦で勝って以後、白星を追加することなくリーグ前半戦を終了した。

 運がなかった。前半40分、磐田の右コーナーキック。こぼれ球からつないだボールを磐田MF川辺駿(21)がシュート。ボールがゴール前で守っていたDF原輝綺(18)に当たり、ゴールマウスに吸い込まれた。

 そこまで守備は安定していた。磐田MF中村俊輔(39)のコーナー、フリーキックを防ぎ、ゴール前で体を張った。ベテランの富沢清太郎(34)に代わって、今季リーグ戦初出場でスタメンのセンターバックに入った西村竜馬(24)は、元新潟のFW川又堅碁(27)をマークし、簡単に仕事をさせなかった。

 攻撃も、カウンターからたびたびチャンスをつくった。前半14分にはMF矢野貴章(33)のクロスをMFホニ(22)がオーバーヘッドでゴールを狙う。FW山崎亮平(27)のプレスからもチャンスが生まれた。

 だがゴールが遠い。そして1点が重い。後半9分には、クリアを磐田DF桜内渚(27)に決められダメを押された。

 クラブ史上初めて5個の黒星が連なった。最下位で前半戦をターンし、降格圏を脱する15位とは勝ち点差で「7」とさらに開いた。反攻の糸口となる結果は、得られなかった。【斎藤慎一郎】