カマタマーレ讃岐の北野誠監督(50)は、6月11日のツェーゲン金沢戦以来、6試合、1カ月ぶりの勝利目前で引き分け「サポーターに申し訳ない試合だった。今年はこういう試合ばかりです。あと1つ踏ん張れない」とサポーターに謝罪し、悔しさをにじませた。

 5連敗で迎えた東京V戦だったが、讃岐の選手たちは開始早々、相手に襲いかかるように激しいプレスをかけた。前半5分、DF武田有祐の右からのロングスローのこぼれ球を、DF李栄直(26)が右足で決めた。同37分にはMF永田亮太(32)がドリブルで仕掛け、右足でゴール。その後、同点に追いつかれたが後半37分、武田の右クロスに飛び込んだDF西弘則(30)が左足で押し込み勝ち越した。ところが同41分、東京VのFWアラン・ピニェイロに打点の高いヘッドを決められた。試合終了まで残り4分が耐えきれず、ロスタイム6分でも勝ちきれなかった。

 北野監督は1-3で敗れた前節レノファ山口から2日後の17日に50歳の誕生日を迎えたが、その日に頭を丸めたという。クラブ関係者に頭を丸めた真意は語らなかったというが、期する思いはあったようだ。会見で丸刈りにした思い、選手に伝えたかったことについて聞かれ、次のように語った。

 北野監督 (10年に監督に就任し)四国リーグから上がってきた、自然体のままの形を取らないといけない。僕が逃げたらダメだと思うし、僕が暗くしていたらチームは暗くなっちゃう。うちはJ2の中では断トツ小さいし、J3と比較しても小さなクラブ。僕が下を向いていても仕方ないし、選手を鼓舞し続けるだけ。俺が丸刈りにして気合を入れても、選手が気合入れなきゃ仕方ない。でも、まず俺がやらなきゃいけないと思う。

 この日は、16戦ぶりの複数得点を挙げたものの3-4で敗れたジェフユナイテッド千葉戦に続き、アウェーで2戦連続3得点を挙げた。質疑応答の中で、一部から「6連敗ですが」と突っ込まれると「負けじゃない!!」と大きな声で言い返した。そして「まだ降格が決まっているわけじゃない。今日の試合を見ていても、J2の中でも全然、戦えるし、うちが弱いな、という人は多分、1人もいないと思う。これを続けていけば、多分、強いチームになる」と言い、前を向いた。【村上幸将】