北海道コンサドーレ札幌が浦和に5年ぶりの勝利を収めた。観客3万3353人で埋まった札幌ドームで、昨季年間2位の浦和レッズを2-0で下した。FW都倉賢(31)が4月30日磐田戦以来、約3カ月ぶりにゴールを決め、新戦力のMFチャナティップ(23)がリーグ戦に初出場、FWジェイ(35)は公式戦初陣で2点目を決める活躍。カードが飛び交う大荒れの試合を制した。3戦連続の勝ち点奪取で14位に浮上。リーグ後半戦白星発進で、J1残留へ弾みをつけた。

 今季最多3万3353人の札幌ドームが、強敵相手の“デスマッチ”に熱狂した。主演は、待ちに待った背番号9だ。押され気味だった前半32分、DF福森の左コーナーキック(CK)に頭を合わせ、4月30日磐田戦(ヤマハ)以来のゴールとなる先制弾。「めちゃくちゃ、うれしい。福森のボールはいつも安定している」。久々に福森とのホットラインがつながり、渇望していたFWとしての喜びに90日ぶりに浸った。

 累積警告で前節を欠場したため、約1カ月ぶりのリーグ戦出場だった。中断期間もあって、他の選手よりも長くなった“夏休み”。「1カ月くらいかけて、対浦和を想定して練習してきた。守備はパーフェクトにできて、相手がイライラしているのを感じた」。準備万全で、この日を迎えた。

 先制点は、ゴール前で浦和DF槙野の動きを封じて決めた。「ブロックもうまくいって、スペースは狭かったけどアタックできた」。その5分後には、中盤で激しくぶつかり転倒。札幌の選手が槙野に詰め寄るなど、スタジアムは一触即発の雰囲気に。結局、都倉に反スポーツ的行為としてイエローカード、都倉の顔に足が当たった槙野はレッドカードで退場となったが「彼の人間性は知っている。お互いに熱くなっただけで、次に会った時は笑顔であいさつできると思う」。ヒートアップした試合は、さらに荒れる。