J1最少失点を誇る横浜F・マリノスが、連続無失点をクラブ記録に並ぶ5試合に伸ばし、暫定2位に浮上した。

 この日最大のピンチは前半39分だった。GK飯倉大樹(31)が、カウンターから抜け出し、ドリブルで独走してきたFC東京の日本代表MF高萩洋次郎との1対1の場面を守りきった。前に出すぎることなく重圧をかけ、狙いすぎた相手のシュートはゴールの枠外へと飛んだ。飯倉は「(高萩は)テクニックもイマジネーションもある選手だけど、そこで点を取られなかった。試合の中で1、2回は相手に大きなチャンスがあるけど、どんな場面でも体を張ってみんなで守るというのが、ここ数試合続けられている。(5試合連続無失点は個人的には)初めての経験だけど、1試合1試合、何が起こるか分からない中での積み重ね」と振り返った。

 オーストラリア代表DFミロシュ・デゲネクは「5試合連続失点ゼロということも重要だし、勝てたことも重要。これを続けていきたい」と、声を弾ませた。31日にはW杯アジア最終予選で日本代表と対戦するが、この日は対峙(たいじ)した元日本代表FW前田遼一を抑え込んだ。「もちろん、彼(前田)が元日本代表ということは知っていた。彼のような経験のある選手を抑えられたことは自信になる」と、胸を張った。

 後半ロスタイムには、左太もも裏肉離れで6月18日の前回東京戦以来、リーグ戦出場から遠ざかっていたDF栗原勇蔵(33)が約2カ月ぶりに出場した。最後は5バックの布陣を敷き、さらに守りを固めた。大歓声でピッチに入った栗原は「あの歓声を聞くとテンションが上がる。今日の1番の収穫」と、サポーターに感謝した。

 27日の川崎フロンターレの結果次第では2位が確定する。9月9日の次節は、その川崎Fとの対戦。DF中沢佑二(39)は「フロンターレにもしも勝てば、優勝という文字も少しずつ近づいてくると思う。鹿島(アントラーズ)やセレッソ(大阪)、柏(レイソル)とか、完成しているチームとまだ残っているから」と、慎重に話した。