湘南ベルマーレFW山田直輝(27)が、全2得点に絡む活躍でチームを勝利に導いた。

 まずは開始29秒。MF藤田征也(30)の右クロスを、ファーサイドのFWジネイがヘッドしたボールを、群馬GK清水慶記と競り合うと、こぼれ球がDFに当たりオウンゴールとなった。

 20日のロアッソ熊本戦ではMFとして先発し、フル出場したが、ホームでスコアレスドローに終わった。「安全に安全にボールを持つことは出来たけれど、相手にとって怖いプレーは、なかなか出来なかった」という反省を胸に「リスクを負ってでも前へ、前へと攻めようと」(山田)という思いを込めたプレーで、群馬のオウンゴールを呼び込んだ。

 前半12分には、右サイドでFW端戸仁(27)にパスを出して中央に切り込むと、端戸からの折り返しのパスを右足でゴール左に決めた。「仁が僕を見てくれるように、夢中で大きい声で呼んだら、いいボールを落としてくれた。狙ったと言うより、思い切りよく蹴ったら、いいところに入った感じ」と振り返った。

 5日の松本山雅戦以来、4戦ぶりの今季3点目だったが「相手のミスでもありましたけど、あの先制点が大きかったなぁと思います」と、1点目のオウンゴールが大事だったと強調した。曹貴裁監督からは、試合前に「キックオフ、お前らの好きなようにしろ」と言われたという。そのメッセージを受け「前に、前にペナルティーエリアに入っていこう」と周囲に呼び掛けたことが結実したオウンゴールは、スコアレスに終わった前節の反省を改善した、山田にとって大きな意義のある1点だった。【村上幸将】