セレッソ大阪の日本代表FW杉本健勇(24)が、2発で得点ランクトップに並んだ。前半5分に右足で放ったシュートが相手DFに当たってコースが変わる、幸運なゴールで先制。後半7分にはPKも決めた。2戦連発で今季通算19得点となり、今日22日に試合を控える浦和興梠をとらえた。だがエースは「まだ試合は残っている。(得点王より)チームが勝てばいいと思っている」と表情を引き締めた。

 2点目のPKのキッカーを巡っては、珍妙なやりとりが繰り広げられた。「キッカーはちゃんと決まってないんで。僕も欲しかったし(柿谷)曜一朗くんも蹴りたがった」。どしゃ降りのピッチで、譲らない2人の決着をつけたのはじゃんけん。パーを出した杉本が権利を勝ち取り、ゴール左隅に決めた。

 自己主張は人一倍強い。プレーに関しては先輩にも遠慮なくものを言い、尹晶煥監督にたしなめられたこともある。しかし、杉本は「(強く)言ってるやつがちんたらできへんから。(人に)言うことで一番やらなあかん、プレッシャーをかける意味もある」。

 ただ「3点目が、いつもね」。初ハットトリックのチャンスはあったが、またもお預け。視察に訪れた日本代表手倉森コーチは「まだまだできる。ハリル(ホジッチ監督)に言わせれば『これで満足してもらったら困る』でしょう」。そんな辛口評価も期待の裏返し。「(残り)4試合、全部勝つ」。代表でも初得点を記録し、存在感を増すストライカーは力強く誓った。【実藤健一】