昨季J1得点王、川崎フロンターレのFW小林悠(30)が3年連続ホーム開幕弾を決めた。湘南ベルマーレ戦の後半11分にMF家長の左クロスにニアサイドへ走り込んで頭でW杯(ワールドカップ)イヤーの自身1号。視察した日本代表ハリルホジッチ監督にアピールした。チームは1-1で、本拠地開幕戦は6年連続の引き分けとなったが、昨夏から17試合連続不敗とした。

 本拠地開幕戦で今年も小林が決めた。0-0の後半11分。MF家長の左クロスに右サイドから斜めに走りこんだ。引き出されたGKとマークについた相手が及ばないニアサイドの空中の1点で頭を合わせた。「アキ(家長)君が素晴らしいボールを上げてくれた。GKより先に触ることを意識した」。流れの中からは4試合無得点だったが「決まるときは決まる」と狙い続け、得意の動きだしで決めた。それでも「ホッとはしたけど、いずれ取れるとは思っていた。チームを勝たせたかった」とちょっぴり悔しさをにじませた。

 視察したハリルホジッチ監督は攻守に奮闘したエースに「フィジカル的に良くなっている」と評価。小林は「前半は体がきつかったけど…。後半はしっかり走れた。徐々にコンディションも上がってきている」と話す一方、ドリブルの仕掛けやアシスト面での課題を挙げ「まだまだ」と切り替えた。

 後半21分にセットプレーから失点し、6年連続でホーム開幕戦は引き分けとなった。小林は「勝ち点3を取れなかったのは残念だけど、去年もそうだけど負けないことは大事。悲観する内容ではないし一喜一憂せずにやっていきたい」。逆転優勝した昨季と同様「勝ち点1」を無駄にせず、次へと進む。【岩田千代巳】