闘将が、初の全国出場に導く。花巻東サッカー部のテクニカル・アドバイザー(TA)に就任したサッカー元日本代表DF柱谷哲二氏(53)が3日、岩手・花巻市の同校で会見した。Jリーグ初年度の92年から東京Vでプレーし、Jリーグ選手会の初代会長も務め、93年ドーハの悲劇も体験している。1日に正式就任した柱谷氏は「高校サッカーに憧れ、Jリーグに行く前は(出身地の)京都で教員になるつもりだった。まず強くなるための基盤を作りたい。僕は負けるのが嫌い。優勝が目標」とチーム初の全国出場を目指す。

 国士舘大の出身で、サッカー部・白瀧慶監督(30)と硬式野球部・佐々木洋監督(42)は、ともに大学の後輩になる。この日の会見は同校の卒業証書授与式と重なり、同席した小田島順造校長(74)は「慶事が重なった。本格的な道に精通した指導者を迎えて、野球部に匹敵するクラブを作りたい」と期待を込めた。

 サッカー部は過去、県準優勝1回、3位(4強)7回の実績を持つが、まだ優勝はない。J1でも指揮を執っている柱谷氏は「技術もフィジカルもベースがずれるとミスが出る。基本を度外視しては発展しない」と基本方針を掲げた。

 今後は単身赴任で花巻市内に定住。月間の半数以上を指導に費やす。会見後は選手たちと初顔合わせ。今日4日、仙台育英との練習試合から始動する。柱谷氏は「プロも高校生も同じ。カテゴリーに関係なく地域の方々の支えがあって生かされる。白瀧監督の目指しているサッカーでしっかりと勝ちたい」とサポートを誓った。【佐々木雄高】