浦和レッズのオズワルド・オリベイラ監督(67)は、サガン鳥栖戦後の会見で「我々はラグビーじゃなく、サッカーをプレーしたいと思っています」、「本日、我々のGKはGKとしての要求が全くなく、試合を完遂するというような内容」などと、独特の言い回しで日本の審判に苦言を呈した。

 オリベイラ監督は会見の冒頭で「4試合前から、ずっと繰り返し見る姿が、よりはっきりと見られたのが今節でした。片方のチームのみが、攻撃を仕掛け続けるという展開でした。片方が点を取ろうとして、もう片方は失点しないようにする、という試合でした」と失望感をにじませた。そして「我々のゴールキックは1本のみ、守備のCKも1回のみでした。本日、我々のGKは、GKとしての要求が全くなく、試合を完遂するというような内容でした」と総括した。

 その上で「もう1つ、幸いにして気付いたのはレフェリーが笛を吹かないというのがあります」と声を大にした。「そういう展開になると、守備をしたいチームに有利。我々はラグビーじゃなく、サッカーをプレーしたいと思っていますので、プレーしにくい状況だと言えると思う。ボールを持ってプレーして勝とうと思っているチームが、ファウルが起こってFKにならない展開だったら、かなり不利になる」と日本の審判を批判した。

 さらに、5日の鹿島アントラーズ戦の前半24分、MF青木拓矢が鹿島MF永木亮太をペナルティーエリア内で倒し、与えたPKで0-1で負けたことを引き合いに「少し疑問の余地が残るPKで負けました」と苦言を呈した。

 その上で、鳥栖戦での審判の判定について「そして本日は橋岡(大樹)がペナルティーエリアの中で腕をつかまれて、明らかなホールディングだったにも関わらず笛が鳴らなかった。その後、柏木(陽介)も同じように腕を捕まれたのに吹かなかった。あれはレフェリーが、同じ基準で笛を吹いているんだ、ということを見せたかったのだと思う」と批判した。

 07年から11年まで鹿島を率いていた頃と比較して、レフェリーの質は上がっているか、下がっているか? との質問も飛んだ。オリベイラ監督は「昔の方がレベルは高かったかもしれません。なぜなら、ファウルのコンセプトと基準が変わってきているから。非常に悪質なファウルがあってもFKにならなかったりする。守備的にプレーするチームは有利だと思いますけど、テクニックがあり、ボールを持って攻めるチームが、プレーがぶつ切りにされるのでやりにくい。この状況ではフィジカルがテクニックを上回ってしまう」と苦言を繰り返した。

 オリベイラ監督は会見場を退出するタイミングで、会見で審判を批判した真意を改めて説明した。

 「レフェリーについて、あまり触れたくなかったんですけど、我々はこの数試合、イエローを出されない姿を見せていると思う。なぜかと言うと、ボールを持ってプレーしようとしているからです。そして、それが阻止されているという状況だったからお話ししました」

 説明を終えると「ありがとう」と言い、笑顔で会見場を後にした。【村上幸将】