横浜F・マリノスFW仲川輝人(25)が、V・ファーレン長崎戦で後半15分に右足で同点弾、同22分には左足で値千金の逆転弾とプロ初の1試合2ゴールを決め、今季最多5得点を挙げた大勝の立役者となった。

 後半15分、MF山田康太の右サイドからペナルティーエリア内に出したパスがDFに当たったこぼれ球を右足で決めた。仲川は「ドリブルで相手のエリアに行こうと思った。ガムシャラに打った」と振り返った。

 同22分にはMF天野純、DF松原健を経由したパスを受けると、ペナルティーエリア内にカットインし、左足を振り抜いて決めた。「健が外に回ってくれて、中のシュートコースが見えた」と笑みを浮かべた。

 専大3年時の13年に関東大学1部リーグで得点王となり、大学サッカー界屈指のFWとして名を知られたが、14年10月の同1部リーグ駒大戦で右膝前十字靭帯および内側側副靱帯断裂、右膝半月板損傷の重傷を負った。15年に横浜に入団後も右ひざの手術を行い、プロ初年度はJ1で2試合、天皇杯1試合の出場に終わった。復帰後、16年5月のナビスコ杯(現ルヴァン杯)アルビレックス新潟戦プロ初ゴールも、攻撃陣の層の厚い横浜でなかなか出場機会に恵まれず、16年にFC町田ゼルビア、17年にはアビスパ福岡とJ2のクラブに2年連続で期限付き移籍した。町田では3ゴールを決めたが、17年7月に加入した福岡では18試合に出場も無得点に終わった。

 今季、アンジェ・ポステコグルー新監督が就任した横浜に復帰も開幕当初、出場機会はめぐってこなかった。4月21日の湘南ベルマーレ戦に途中出場すると、5月2日のジュビロ磐田戦でJ1初ゴールを決めるなど、長崎線まで7試合連続出場し、ここ3試合は先発起用されるなど、プロ4年目の今季、ようやく横浜で存在感を発揮した。

 仲川は「自分のゴールが逆転につながって、勝利を決められて良かった。点は入っていますけど、入りの失点の仕方を改善していけば、もっとマリノスらしいサッカーが出来る。改善したい。マリノスのサッカーをして1試合、1試合勝っていけば、順位も上がっていく。継続したい」と喜びつつも気を引き締めた。【村上幸将】