モンテディオ山形が徳島ヴォルティスを3-2で下し今季初の3連勝とし、暫定8位に浮上した。

 2-2で迎えた後半、FW阪野豊史(28)がMF汰木康也(22)のクロスにヘッドで合わせ今季6ゴール目を挙げ勝ち越した。前半8分にFW小林成豪(24)が、芸術的な右足ボレーをゴールに突き刺し先制すると、同25分にはFW南秀仁(25)が右足つま先で技ありゴール。3トップそろい踏みの得点は、すべて流れの中から崩した価値あるゴールだった。これで8試合連続負けなしと絶好調だ。

 エースFW阪野がラストプレーで意地を見せた。後半27分、タッチライン際に交代要員のFW中山仁斗(26)が控える中、「全力を出し尽くしてバトンタッチする気でプレーした。康也からスピードの速いボールが来たが勢いを殺さずにうまく合わせられた」。流れが途切れれば交代の場面で、値千金の勝ち越しヘッドをゴールに流し込んだ。アシストしたMF汰木に倒され、手荒い祝福を受けた。

 「昨年悔しい思いをしていたので勝ててよかった。皆で強い気持ちで戦えた」。昨年6月のリベンジマッチでもあった。9戦負けなしで5位と上位浮上をうかがっていた矢先、同じホームで徳島と対戦し1-6で大敗した。それ以来、失速してしまっただけに雪辱の思いを胸に挑み続けた。

 システムを5バックに変更して以来、守備が安定し不敗記録を積み上げてきたが、攻め勝ったことに大きな意義がある。木山隆之監督(46)は「選手が勝つために多くの努力をしてくれた。サポーターがいい雰囲気を作ってくれて選手も躍動することができた」と、手応えを感じた一戦。リベンジマッチを制して、さらに勢いを加速させた。【下田雄一】