前節は台風12号の影響で、レノファ山口FC対FC町田ゼルビア、ファジアーノ岡山対徳島ヴォルティス、カマタマーレ讃岐対モンテディオ山形、アビスパ福岡対横浜FCの4試合が中止となった。その中、松本山雅FCがMFセルジーニョのゴールでヴァンフォーレ甲府に1-0で勝ち3連勝、7戦無敗で首位をキープした。

 1分け4敗と苦しんでいた大分トリニータは、FW三平和司のゴールとオウンゴールでFC岐阜に2-0で快勝し、6戦ぶりに勝って5位から暫定3位に浮上。

 東京Vは、東京五輪世代の19歳FW藤本寛也の決勝弾で最下位の京都サンガに1-0で勝ち5位、大宮アルディージャはDF酒井宣福、FW大前元紀のゴールでロアッソ熊本に2-1で逆転勝ちで7位と、暫定ながらそれぞれ順位を上げた。

 今節の注目カードは、大分にかわされ暫定4位に転落した横浜FCと同2位のFC町田ゼルビアの上位対決だ。横浜FCは町田に2分け2敗とここ4戦未勝利。ホームでの対戦成績は1勝1分け1敗と全くの五分だが、ここ2戦は1勝1分け。さらに山形から地元神奈川出身で桐光学園高でも活躍したFW瀬沼優司を完全移籍で獲得した。

 一方の町田も、3連勝で首位松本を勝ち点1差で追走してきた中、前節は台風で試合がなく、勝ち点差が4に広がっただけに負けられない。

 東京Vが大宮をホームで迎え撃つ1戦も、今後を占う意味で見逃せない。東京Vは、J2に降格した大宮と15年以来3年ぶりに対戦した4月28日の試合は0-2で敗れた。リーグ戦では15年9月のホーム戦を含めて2連敗、公式戦では同年9月にアウェーで行われた天皇杯2回戦でも1-3で敗れており3連敗中と相性が悪い。

 ただFWドウグラス・ヴィエイラがここ4戦で3発と好調で、チームも3勝1分けと上り調子だ。一方の大宮も、7月25日の松本戦で相手の退場で数的有利となり先制しながら痛恨の逆転負けを喫したが、熊本戦で逆転勝ちし復調の兆しを見せる。

 首位の松本は、14位のジェフユナイテッド千葉とアウェーで対戦する。現状の順位に加え、通算成績でも7勝4敗と上回る松本が優位に見えるが、この1戦は読めない。アウェーでの対戦成績は、松本が2勝3敗と負け越している上、17年も3月のホーム戦では3-1と快勝しながら10月のアウェー戦では1-5と大敗したからだ。

 千葉は昨季、終盤にクラブ記録の7連勝でJ1昇格プレーオフに進出したが、松本戦の大勝も大きな弾みとなっていた。エスナイデル監督が、7月15日のツエーゲン金沢戦で執拗(しつよう)な抗議から退席を命じられ、松本戦まで4試合のベンチ入り停止処分となったが、ギジェルモ・サムソ・コーチの指揮の下、2勝1敗と勝ち越している。途中出場した7月25日のヴァンフォーレ甲府戦で後半37分、先発した同29日のアルビレックス新潟戦の後半39分と、2戦連続で決勝弾を決めたFW為田大貴に期待だ。

 また、忘れてはいけない存在が7月1日に松本から千葉に約8年ぶりに復帰した、元日本代表MF工藤浩平(33)だ。完全移籍のため、契約上も松本戦への出場は可能。千葉に復帰後も3戦連続で出場しており、メンバー入りの可能性は高い。

 工藤VS松本の“仁義なき戦い”への期待感からか、チケットは7月30日段階で1万2000席が売れており、5月27日の第16節・熊本戦で記録した1万2440人を塗り替え、今季最多入場者を記録するのも極めて濃厚だ。