京都サンガFCの元日本代表DF田中マルクス闘莉王(37)が、決勝点の起点となった。

 6月9日松本戦以来、約2カ月ぶりの出場でDF登録ながら3トップの一角として先発。前半8分、いきなり強さを発揮した。逆サイドからの浮き球パスに反応。頭で落としたボールをMFジュニーニョ(23)が右足でシュートすると、こぼれ球をFWレンゾ・ロペス(24)が決めて先制した。京都はこの1点を守りきり、2カ月ぶりの勝利を挙げた。

 長く暗いトンネルだった。ホーム戦は3月17日岐阜戦以来、5カ月間未勝利。なかなか勝利がない状況で、この日はこれまで全試合に出場していたMF小屋松と仙頭の2人をベンチから外し、前節から先発を3人入れ替えた。さらに守備の陣形を変え、5バックで臨んだ。

 ボスコ・ジュロブスキー監督(56)はメンバーとシステム変更の理由を「20数試合結果が出ていない中で何かを変えないといけなかった。まずは守備を堅くしたかったので、DFの選手を5人にした。新しい選手も入ってきたので、思い切った采配が必要だと思った」と説明。采配は当たり、今季初めて無失点に抑えた。

 J3自動降格圏の最下位に低迷する京都は9試合ぶりの勝ち点3を獲得。順位は最下位のままだが、連敗を4で止めた。指揮官は「最後まで戦った選手を褒めたい」。この日試合がなく、5日に岡山戦を控える残留圏20位の讃岐とは勝ち点5差。この1勝をきっかけに、残留に向けて着実に勝ち点を積んでいきたい。