サガン鳥栖のマッシモ・フィッカデンティ監督(50)はFC東京戦後の会見で、ノーゴールに終わった元スペイン代表FWフェルナンドトーレス(34)について「日本のサッカーは結構、速いと思う。ここに来て、すぐ良いプレーをするのは難しいと思う」と語り、かばった。

フィッカデンティ監督は質疑応答で「トーレスがうまくいっていない。もっと彼にボールを入れた方がいいのでは?」と聞かれると「日本のサッカーは結構、速いと思う。よく詰めてスペースを守る」と、まず日本サッカーの特徴について説明した。その上で「フェルナンドは(欧州)チャンピオンズリーグも出た選手で、クオリティーは持っていると思うけれど、それは関係ない。ここに来て、すぐ良くプレーするのは難しいと思う」とトーレスの状況を語った。

報道陣からは、名古屋の元ブラジル代表FWジョーがここ7戦で12発と好調なのを受けて「ジョーも最初、名古屋に加入したばかりはダメだったが?」と質問が出た。フィッカデンティ監督は「今、すごくいい選手になっちゃったね。ゴール出来ているから、良い選手だと思います」と評した。そしてトーレスについて「彼もよく練習しているから、戦わないといけないけれど、時間がたったら最後までドンドン良くなっていって、何回もゴールできる選手だと思う」と長い目で見ていく考えを示した。

東京戦については「前半は結構、難しい試合だったと思うけれど、1回だけ危ないと思うチャンスが相手にあった。後半は(鳥栖に)よくチャンスがあって、ペナルティーエリアの近くに行き、シュートも打てた。両チームとも勝ちたかったから、前半は難しかった。後半、お互いプレーも出来て、試合は面白かったと思う」と前向きに捉えた。

この日、勝ち点1を積み上げたが、J2とのプレーオフ圏16位にとどまる。自動降格圏17位のガンバ大阪が今節、2位の川崎フロンターレに勝ったため、勝ち点差は2に接近した。フィッカデンティ監督は「今、まだ状況は難しい。選手も頑張っているけれど、良くないから、もっと頑張らないといけない」と語った。その一方で、トーレスが加入して1カ月半がたったことを踏まえ「1カ月半前から、また戦術を新しく作って、チームは良くなっている。勝っているし全然、新しいチームになっている」と強調した。

フィッカデンティ監督にとって、東京は15年まで指揮を執った古巣だ。「東京でプレーして、ちょっと懐かしい気持ち。みんな、よく知っているから…うれしいね」と笑みを浮かべながら会見場を後にした。【村上幸将】