アジア大会サッカー女子で2大会ぶりの優勝を決めた、なでしこジャパンのメンバー、アルビレックス新潟レディースのMF阪口萌乃(26)が5日、優勝報告の会見をクラブハウスで行った。全5試合に出場し、うち3試合がフル出場。守備位置は本職の中盤ではなく、ほとんど左サイドバックで起用され、優勝に貢献した。アジア王者の一員となり、プレーの幅を広げるとともに、19年フランス・ワールドカップ(W杯)の代表入りに自信をつけた。

会見で見せた笑顔は金メダルとともに手応えを感じ取った証しだった。「今回は全試合に出場できて、自分のいいところも出せた。それ以上に課題も感じた」。阪口はアジア制覇の収穫を話した。そして「より一層、W杯に出たくなった」。来年に迫った大舞台の代表入りへ、意欲がより高まったことが最大のプラスだった。

アジア大会で将来の布石を敷いてきた。左サイドバックで3試合フル出場、途中出場の2試合のうち、ベトナム戦が中盤で、韓国戦が左サイドバック。本職はボランチ、サイドハーフ。不慣れな守備位置を国際舞台でなんなく務め上げた。

4月のW杯アジア最終予選(アジアカップ)で代表初招集。このときは出場機会がなかった。今回はレギュラークラスの起用だ。準々決勝の北朝鮮戦でPKを献上した。それでも気後れなく「すぐに切り替えて中国戦(決勝)に臨めた」。試合を重ねながら、ミスを引きずらない精神力も身に着けた。

この日、会見後はさっそく新潟の練習に合流。9日には、なでしこリーグ日テレ戦が控える。現在首位で、代表メンバーがそろう強敵。ここからの試合はW杯の代表入りを争うというテーマもある。「向こうも疲れがあると思う。やってやろうと思います」。やわらかい口調の中に闘志をにじませた。【斎藤慎一郎】

◆阪口萌乃(さかぐち・もえの)1992年(平4)6月4日生まれ、神奈川県出身。藤枝順心高から武蔵丘短大を経て、13年新潟に入団。今年4月、W杯アジア最終予選で初めて日本女子代表に選出された。7月の4カ国対抗・米国戦で代表初先発、初得点を決めた。MF。157センチ、50キロ。背番号15。