清水エスパルスがJ1残留に大きく前進した。アウェーでFC東京に2-0。後半20分、FW北川航也(22)が、ヘッドで先制点を挙げ、後半36分にはFWドウグラス(30)がPKを決めた。守備陣も最後まで集中を切らさず、10試合ぶりの無失点。東京には6年ぶりの勝利で、次節磐田との静岡ダービーに弾みをつけた。

雨に打たれながらも、選手たちの表情は晴れやかだった。清水は決めるべき選手が決め、守備陣も耐えて10試合ぶりの無失点。試合後は、駆けつけた4000人以上のサポーターと勝利の余韻に浸った。

後半20分、ドウグラスの強烈左足ミドルのこぼれ球に、北川が反応した。「その場所にいたことが全て。うまく反応できた」。浮き上がったボールをヘディングで合わせてネットを揺らすと、ベンチに走りだした。前節G大阪戦で10戦ぶりに得点。長いトンネルを抜け出した22歳は、今季自身3度目の2戦連発弾で完全復活を証明した。

後半36分には、ドウグラスが自らの獲得したPKを豪快に蹴りこみ、追加点。今季初となる北川&ドウグラスの「アベック弾」で勝負を決定づけた。加入後、10戦7得点の助っ人は「勝ち点3を取れたことが何よりうれしい」と言った。チームとしては10戦ぶりの無失点。DFファン・ソッコ(29)は「全員で守り切れた」と胸を張った。

負ければJ2自動降格圏に近づく可能性もあった一戦で踏ん張り、J1残留へ前進した。勝ち点37。昨季の34を早くも上回った。次戦は、残留争いの中にいる磐田との静岡ダービー。北川は「エスパルスの選手である以上、ジュビロだけには絶対に負けてはいけない」と言った。どんな状況でも、勝ちだけを目指すのが磐田戦。清水はホームで宿敵を迎え撃ち、残留を決定的にするつもりだ。【神谷亮磨】