清水エスパルスとの静岡ダービーに大敗したジュビロ磐田が11日、練習を再開した。J2降格危機の中、21日の次節アウェーV・ファーレン長崎(午後4時、トラスタ)に向け、名波浩監督(45)は「守備改善」をテーマに挙げた。堅守は名波磐田の原点。そこに立ち返り、残り6戦でJ1残留を果たす構えだ。

日が沈みかけた竜洋スポーツ公園サッカー場。清水戦での大敗(1-5)から4日、磐田の選手たちは、必死に体を動かした。フィジカルトレーニングから実戦形式の練習まで約2時間、みっちりと汗を流した。

チームは5戦連続の勝ちなし(2分け3敗)で、J2自動降格圏の17位サガン鳥栖と勝ち点3差の15位だ。主な原因は守備の崩壊で、ワールドカップ・ロシア大会による中断明けから、13試合で27失点。昨季はリーグ最少の34試合30失点を誇り、6位躍進の原動力となった堅守がなきものになっている。名波監督は言った。「(守備崩壊の)原因究明を早急にしていきたい。ここまで(チームは)そこをベースにやってきたから」。守備改善を第一優先にして、チームを立ち直らせる考えだ。

21日に迎える次節アウェー長崎戦までは、残り10日。ゲーム主将のDF大井健太郎(34)は「練習中から、ただのミスで終わらせないように要求していく。そういう雰囲気を自分から作っていきたい」と言った。指揮官も「選手たちは普通を装っているけど、(清水戦の)ショックは抱えていると思う。だから、『サッカーで抱えたストレスは、サッカーでしか解消できない』と伝えた。1試合勝っただけでは状況は大きく変わらないが、良薬にはなる」と話している。

磐田の今季リーグ戦は、残り6試合。厳しい現実から目を背けず、全員で試練に立ち向かう決意だ。【前田和哉】