YBCルヴァンカップ決勝(27日、埼玉スタジアム)に進出した、湘南ベルマーレと横浜F・マリノスの前日会見が26日、埼玉スタジアムで行われた。

横浜のアンジェ・ポステコグルー監督(53)は会見の質疑応答で、母国オーストラリアでギリシャ代表監督への就任の可能性も報じられた来季の去就について聞かれ「サッカーは明日、何が起こるか分からない」と答え、明言は避けた。

ポステコグルー監督の去就に関しては、オーストラリアのシドニー・モーニング・ヘラルド紙(電子版)が18日付で、ギリシャ代表監督への就任の可能性が浮上したと報じていた。同監督は質疑応答で「他からのオファーがあるとニュースがあったが?」と聞かれると「サッカーは明日、何が起こるか分からない。監督として常に考えるのは、次の試合をどう乗り越えるか。そこに向けて準備してきた」と答え、翌日の湘南との決勝戦に集中していることを強調した。

一方で、オーストラリア代表監督を退任後、就任して1年目の横浜の監督業が最近、非常に充実していることも重ねて言及した。前任のエリク・モンバエルツ氏の守備的サッカーから180度転換し、ラインを高く設定し、自分たちで主導権を握る超攻撃的サッカーに取り組んできた。リーグ戦ではなかなか結果が出ず、一時は降格圏もちらつくなど苦しみ、30節を終えた現在も自動降格圏17位の柏レイソルと勝ち点5差の11位にとどまっている。

それでも、20日にガンバ大阪に敗れるまでは3連勝を挙げ、ルヴァン杯では決勝に進出し、ポステコグルー監督のサッカーが徐々に成果を挙げ始めている。同監督は「ここに来て、日本人の選手と働けるのが楽しくてしょうがない。選手も感じてくれて…ここ最近、自分のやりたいメソッドが表現されてきたと思う。明日は楽しみ」と語った。

翌27日の決勝を戦う湘南とは、4月のホーム戦で4-4で引き分け、8月のアウェー戦では1-0で勝っている。ポステコグルー監督は、湘南のどこが強みで、どこを突けば勝てると思うか? と聞かれると「決勝に来るのは間違いなく良いチーム。強みとか弱みとかは関係ないと思う。湘南はリスペクトしている。曹貴裁監督が率いる、規律がありハードワークが出来るいいチーム。初戦は4-4…監督にとってはドキドキした内容。明日、そうなったら、ベンチでドキドキするんでしょうけど、そういう展開になればエンターテインメント性あふれる試合になると思う。アウェーでも1-0で勝ったが非常に難しかった」と評した。【村上幸将】