第27回全日本高等学校女子サッカー選手権大会の組み合わせ抽選会が23日、都内で行われ、今夏の全国高校総体を制した常盤木学園(宮城)は、1回戦で大会2連覇を狙う藤枝順心(静岡)と対戦することになった。

優勝候補同士が初戦から激突する。常盤木学園の星川彩副主将(高2)は「待ってました」と冷静にひと言。全国高校総体との2冠へむけ、避けて通れない相手だということはわかっていた。「決勝戦で当たるのと1回戦であたるのは同じこと」。焦りはなかった。

チームは24日に新潟で皇后杯2回戦を戦うため、3年生の主将に代わって抽選のくじを引いた。順番が回ってきたのは最後から2番目。その時に空いていたのは藤枝順心との対戦か、全国高校総体準優勝で今大会は地元開催となる日ノ本学園(兵庫)との対戦。「どちらにいくのかなとドキドキしていました」と引いたくじには2番の文字。第1シードとして1番の枠に入っていた藤枝順心との対戦が決まった。

全国高校総体では準決勝で対戦し、1-0で勝利。それでも「夏に順心さんと対戦して、課題が多く見つかった。冬にその課題と向き合っていたことを証明できる試合ができればいいなと思います」と緩みはない。

常盤木学園は同選手権で初優勝した02年から14年までの13大会で実に11度も決勝に進出。大会最多5度の優勝を誇る高校女子サッカー界の名門だ。その13大会の間のチームからは、現在もなでしこジャパンで活躍するDF鮫島彩(31)や熊谷紗希(28)、市瀬菜々(21)らを輩出。しかし、21年連続21度目の選手権出場は維持するものの、ここ3大会は決勝進出を逃している。星川副主将は先輩らの姿が励みになっていると明かし「先輩たちがA代表で活躍しているのをみて、自分たちも刺激をもらっています。過去の成績にぶら下がっているままじゃ、強い常盤木はつくれない。自分たちで結果を残して歴史をつくりたいというのは常に思っています」。

初戦から前年度覇者という強敵と激突することになったが、逆にとらえれば、ここを突破して勢いに乗れば、一気に名門復活への道が開かれると言ってもいい。直近の10月に大阪で行われたU-18日本女子代表候補のトレーニングキャンプには選手3人が選出されるなどタレントもそろっている。個々の技術を結集させ、目指しているのは「華麗でスピーディなサッカー」。6大会ぶり6度目の優勝へ、常盤木学園が勝負の冬を迎える。